令和7年(ワ)第493号 地位確認等請求事件 原 告 原告X 外1名 被 告 社会医療法人 名古屋記念財団 (上記被告代表者理事長 太田圭洋) 訴えの変更申立書 令和7年2月28日 名古屋地方裁判所民事第1部 御中 原告ら代理人弁護士 岩 井 羊 一 頭書の事件について、原告は、次の通り請求の趣旨を変更する 第1 請求の趣旨の変更 1 請求の趣旨第2項を 「被告は、原告Xに対し、金3607万0776円及びこれに対する令和6年4月23日から支払済まで年3%の割合による金員を支払え。」に変更する 2 請求の趣旨第4項を 「被告は、原告Xに対し、令和7年2月25日から本判決確定の日まで、毎月25日限り月額57万3147円の割合による金員及びこれに対する各支払期日の翌日から支払済まで年3%の割合よる金員を支払え。」に変更する。 第2 請求の原因の変更 1 請求の原因 第5の2(1)を 「原告Xは令和2年時点において年収は499万7119円であった。しかし、原告Xは当直の際や朝会議、制服への更衣に残業代が発生するにもかかわらず支払を受けていなかった。令和2年においてこれら未払いの給与が108万4047円であった。これらを加味した原告Xの年収は608万1166円である(甲1)。また同様に待機時間についても残業代が一部しか支給されておらず、未払い額は79万6598円であった。原告Xの損害を基礎づける本来の年収は687万7764円である(甲127)。」に変更する。 2 請求の原因 第5の2(2)を 「そこで令和3年5月から令和7年1月までの3年9か月間の損害は2579万1615円である。(計算式 687万7764円×3.75) また、原告Xは、令和7年2月以降も、業務ができない状態が続いているから、毎月25日限り、原告Xの年収相当額の1/12である57万3147円の損害金が発生しており、これを請求する権利が発生する。」に変更する。 3 請求の原因 第5の5を 「原告Xは、当面の間、統合失調症で休業するから、その間の賃金相当額が損害金として発生する。 すなわち、令和7年2月から、本判決確定までの間、毎月25日限り57万3147円の賃金相当損害金が発生する。」に変更する。 4 請求の原因 第5の7を 「上記金額のうち実費を除き既に発生したものの合計の10%は弁護士費用と して損害とするのが相当である。 原告Xの実費を除く損害金は3279万1615円であるから、弁護士費 用はその10%の327万9161円である。 原告Yの弁護士費用は100万円の10%の10万円である。」に変更する。 5 請求の原因 第6 結語を 「よって原告Xは、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、安全配慮義務の債務不履行による損害賠償として賃金相当の損害金として2579万1615円、また通院をする状態にあることの慰謝料として700万円、これらの損害に対する弁護士費用相当の損害金として327万9161円の合計3607万0776円を請求する。 同様に実費相当の損害金として70万2370円を請求する。 これらに対し、それぞれ、令和6年4月23日から支払済まで年3%の割合による金員の支払を請求する。 原告Xは、令和7年2月以降も、業務ができない状態が続いているから、毎月25日限り、原告の年収相当額の1/12である57万3147円の損害金が発生しており、これを請求する権利が発生する。令和7年2月25日から本判決確定日まで毎月25日限り57万3147円及び各支払日の翌日から支払済みまで年3%の割合による損害賠償金の支払いを求める。 原告Yは、被告に対して、不法行為に基づく損害賠償として110万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払い済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払いを求める。」に変更する。 第3 変更の理由 令和2年においても原告Xの待機勤務は労働基準法上の労働時間に当たるため、その待機勤務における未払い残業代を、原告Xの損害を基礎づける本来の年収額に加算したため。請求金額を拡張する。
CIVIL CASE / COMPLAINT
訴状
COMPLAINT / FEBRUARY 3, 2025
訴状
令和7年2月3日 名古屋地方裁判所提出
訴状 1 / 22
訴 状
令和7年2月3日
名古屋地方裁判所 民事部 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 岩 井 羊 一
【原告住所:非公開】
原 告 原告X
(以下「原告X」という。)
【原告住所:非公開】
原 告 原告Y
(以下「原告Y」という。)
〒460−0002
名古屋市中区丸の内二丁目10番30号
インテリジェント林ビル401号
岩井羊一法律事務所(送達場所)
原告ら訴訟代理人弁護士 岩 井 羊 一
電話 052−684−6710
FAX 052−684−6720
〒100-8977
名古屋市天白区平針4丁目305番地
被 告 社会医療法人名古屋記念財団
上記被告代表者理事長 太 田 圭 洋
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地位確認等請求事件
訴訟物の価額 金4066万8301円
貼用印紙額 金14万3000円
請求の趣旨
1 原告Xは、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認す
る。
2 被告は、原告Xに対し、金3278万4809円及びこれに対する令和6年
4月23日から支払済まで年3%の割合による金員を支払え。
3 被告は、原告Xに対し、金70万2370円及びこれに対する令和6年4月
23日から支払済まで年3%の割合による金員を支払え。
4 被告は、原告Xに対し、令和7年2月25日から本判決確定の日まで、毎月
25日限り月額50万6763円の割合による金員及びこれに対する各支払期日
の翌日から支払済まで年3%の割合よる金員を支払え。
5 被告は、原告Yに対し、金110万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌
日から支払済まで年3%の割合による金員を支払え。
6 訴訟費用は被告の負担とする。
7 第2項、第3項、第4項、第5項につき仮執行宣言。
との判決を求める。
請求の原因
第1 当事者
1 原告ら
原告Xは、被告である社会医療法人名古屋記念財団の経営する名古屋記念
病院(以下「病院」という。)の放射線部において診療放射線技師として勤務し
ていた者である。
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原告Yは原告Xの母である。
2 被告
被告は病院及び診療所を経営する社会医療法人である。
第2 原告Xの請求の概要
1 原告Xの経歴
原告Xは、昭和63年〇月〇日生まれである。
原告Xは、平成24年3月、岡山大学大学院保健学研究科放射線技術科学
分野を卒業した。
原告Xは、同年4月、被告に入職した。
原告Xは、放射線部に配属され、レントゲンやCT等の検査業務に従事す
ることになった。
原告Xは、同年7月から夜間休日等の待機勤務、平成25年1月より宿日
直勤務も行うようになった。
原告Xは、同時期からCT専従者としての研修を開始し、平成25年7月
からCT専従業務に従事するようになった。
原告Xは、長時間勤務、過密業務及び上司らからのパワーハラスメントな
どによる強い心理的負荷を負ったことにより平成27年7月中旬に統合失調症
を発病した(以下「本件疾病」という。)
。
原告Xは、平成28年6月、病院に精神障害の診断を受けた旨を報告した。
原告Xは、令和2年10月に療養補償給付の労災請求を行った。
原告Xは、令和2年12月から令和3年2月にかけて病院内で発生した新
型コロナウイルスの感染拡大(第3波)において感染対策等が十分に確立して
いない中で、最前線で勤務した心労により体調が悪化し、令和3年5月から休
業した。
原告Xは、令和3年10月25日、被告から同年10月31日付で私病傷
休職の期間満了に伴う自然退職扱いとする旨、告知を受けた。
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2 雇用契約の締結と内容
原告Xは、平成23年12月15日、被告との間で、下記の条件で期限の
定めのない雇用契約を締結し(甲23)、これまで勤務してきた。
ア 基本給20万4600円
イ 毎月20日締め、翌月25日払い
ウ 当直勤務、待機勤務あり
3 被告による自然退職扱い
原告Xは、令和3年10月25日、被告から同年10月31日付で私病傷
休職の期間満了に伴う自然退職扱いとする旨、告知を受けた(以下、
「本件自然退職扱い」という。)。
4 本件自然退職扱いが無効であること
原告Xの本件疾病は被告における過重な労働によるものであり、労災であ
るから、本件自然退職扱いは、労働基準法19条に違反しており無効である。
第3 原告Xの精神障害の発病について
1 原告Xの発病
原告Xは、平成27年7月中旬頃から幻聴や考えがまとまらない症状が出
現し、平成28年4月1日、〇〇クリニックを受診し、同年6月上旬
「統合失調症」の診断を受け、以後治療を受けていた。精神障害を発病したも
のであり、その発症時期は平成27年7月中旬頃と考えられる。
これは、労働基準監督署に対する療養補償給付請求の際に、主治医の意見を
踏まえ、愛知労働局の地方労災医員Z医師が述べた意見である。
原告Xが、平成27年7月から6か月前の業務についてみると、過重な業
務となっており、精神障害発病の原因となっている。
以下詳論するが、病院関係者らの氏名は、人物用語一覧という書証(甲53)
において説明する通りである。
2 原告Xの精神障害発病の原因
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⑴ 原告Xの業務内容
原告Xは、発病前の平成27年1月から同年7月、CT専従業務に従事
していた。
CT専従業務というのは次のような内容の業務である。すなわち、管轄厚
生局に届け出された診療放射線技師が、その者の勤務の8割以上をCTに関
連する業務を行うことで保険点数上優遇される制度がある。CT専従業務と
は、この制度が適用されるようにCTに関連する業務を専従して行う業務形
態である。
平成27年当時、被告にはメインの64列CTとサブの16列CTの複数
のCTがあり、原告Xは、病院関係者 B とともに、日勤の時間帯に64列
CTを使っており、心臓領域や整形領域など専門的な研修を終えたものでな
ければ対応できない撮影も行っていた。なお、病院関係者 B は、16列CT
を用いて64列CTで時間的に処理しきれない、かつ誰でもできる検査を行
っていた。
平成27年時点では64列CTを完全に扱えたものは原告X、病院関係
者 B、病院関係者 H、病院関係者 J、病院関係者 Q の5名のみであった。
(病院関係者 B は自身の身体の障害により一部対応できない検査もあった。病院
関係者 H、病院関係者 J、病院関係者 Q は、日常的には他の業務を行ってお
り、原告Xが休みのとき、原告Xが別のクリニックに出張するなど外勤
のときに、64列CTを扱っていた。他の病院関係者らも夜間休日は検査内
容を限定して扱っていた。)
CT専従業務の前任者は病院関係者 H であり、原告Xは病院内では2人
目のCT専従業務従事者であった。
⑵ 本件発病が過重な業務によるものであること
原告Xの本件発病は、過重な業務によるものであり、本件発病は、業務
との間に相当因果関係がある。
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これについては、労働基準監督署長の精神障害の業務起因性の判断の規準 である、「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(以下「認定基準」 という。甲67)を参考に、以下詳論することにする。なお、認定基準は、 行政の判断の基準であるから、相当因果関係の基準ではないが、専門検討会 の議論を経て策定されたものであるから相当因果関係の存在については、こ れを参考にしつつ総合して判断するべきである。 以下、認定基準を踏まえて、本件自然退職扱いの違法性について詳述する。 ⑶ 「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」 に該当すること 原告Xは、上司等からパワーハラスメント受けた。その内容は、原告X が書証に詳細に事実の経過を記載したとおりである(甲4)。 原告Xは、病院関係者 A 及び病院関係者 J から精神的攻撃を執拗に受け ていた。これらの精神的攻撃は、人格や人間性を否定するような業務上明ら かに必要性のない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃・必要以上に 長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱 責など様態や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻 撃・心理的負荷であった。さらに、病院に相談しても適切な対応がなく、改 善されなかった。 これにより、原告Xの受けた心理的負荷は、認定基準の業務による心理 的負荷評価表に当てはめると「強」である。 ⑷「達成困難なノルマが課せられた・対応した・達成できなかった」に該当す ること 原告Xには相当量の撮影ノルマが課せられていた。 原告Xが求められている撮影の件数、すなわちノルマは兵庫県病院の平 均の2倍~2.55倍であった。また撮影件数自体も全国平均の2.98倍 ~3.54倍であった。
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さらに、原告Xには『医学物理士の資格取得要請』『CTC(コロノグラフ
ィー)読影スキル習得課題』『CT 被ばく線量の確認作業と撮影条件の再検証作
業』等、この過重な撮影ノルマに追加して、多くの業務がノルマとして課さ
れていた(甲8)。
病院関係者Hもこの業務を過重に感じていた(甲9)。
また原告Xは平成27年5月にノルマ未達成であった。これにより原告
Xは業務改善資料の作成を命じられ、提出している(甲8)。
病院関係者Nの証言によってもノルマが強く求められていたことがわかる。
この撮影ノルマによる心理的負荷は業務による心理的負荷評価表の「中」
にあてはまる。
⑸「1か月に80時間以上の時間外労働を行った」に該当すること
ア 原告Xの時間外労働
原告Xの発病前6か月の時間外労働は、待機時間も含めると、1か月
に87時間17分~148時間3分となる。待機時間を含めなくても、時
間外労働は1か月に75時間59分~103時間29分となる。
また原告Xは休憩を十分に取得できていない日があった(甲40)。
待機時間を含めない集計方法においても1か月の時間外労働時間は80
時間を超えており、業務による心理的負荷評価表に当てはめると心理的負
荷の強さは「中」となる。
イ 時間外労働の考え方
(ア) 当直時間
原告Xの当直時間はすべて病院の指揮命令下にある労働時間である。
原告Xのタイムカードの打刻時刻は、甲19の書証に引用した終業
日報・月報の通りである(甲19)。
病院は、労働基準法41条の断続的勤務にあたる当直許可を得ている。
しかし、そもそも原告Xの病院の当直の実態は、労働基準監督署が適
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正に判断すれば不許可となるべきものであり、当直許可が違法である。
宿日直時の検査記録によれば、原告Xは当直中に頻繁に業務を行って
いる。
当直の日報によれば、当直中に頻繁に業務を行っていたという原告X
の説明は合理的なものであることがわかる。
(イ) 待機勤務
原告Xは、月に2から3回の待機勤務があった。このことは、労働
契約確認書にも「待機あり」と記載され、労働契約の内容となっていた。
この待機中、飲酒は禁止されており、緊急登院の連絡を受けた後30分
以内に現場に到着することとされていた。待機勤務中は行動範囲が制限
され、実質的には30分以上自由の効かないサービス(床屋など)を受
けることも制限されていた。
また原告Xは評価期間中16回の待機勤務の中で9回、それ以外で
1回の計10回呼び出しを受けており、待機勤務の実際の拘束性も強か
った(甲23)。
以上から、原告Xの労働時間は、待機時間を含めて計算するべきで
ある。
(ウ) まとめ
タイムカード打刻時刻から始業時間までの前残業については必要性の
ある業務(始業点検、朝会議)である。
またタイムカード打刻前に制服に着替える必要があったこと、タイム
カード打刻後に私服に着替える必要があったことから、タイムカード打
刻前後の5分も労働時間である。
よって待機時間を含めると時間外労働は87時間17分~148時間
3分となり(甲21)、待機時間を含めないと時間外労働は75時間59
分~103時間29分となる(甲22)。
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なお、時間外労働を労災において1か月を30日として計算する方法
で算出したのが、甲111、甲112である。
⑹「2週間以上にわたって連続勤務を行った」に該当すること
ア 連続勤務
原告Xは平成27年1月5日から平成27年1月17日、13日間連
続で勤務を行った。
原告Xは、平成27年1月11日から12日、24時間の拘束時間の
うち11時間10分の実労働を行っている。
3月8日~3月20日についても呼び出しによる短時間勤務を含むが実
労働による連続勤務が成立している。また待機勤務そのものにより心理的
負荷は受けており、その連続性は認められるべきものであるから、他の月
においても連続勤務があった(甲26)。
以上から、これによる心理的負荷は業務による心理的負荷評価表に当て
はめると「中」または「強」となる。
⑺ 「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」に該当す
ること
病院の患者数は平成26年11月頃より増加傾向にあった。原告Xは、
平成27年1月19日~平成27年3月31日までの間、病院関係者 B が休
職したことによって、64列CTの検査を一人で行った。これは認定基準の
「取引量の急増、担当者の減少等による大きな変化」に準ずるものであり、
発病6か月前の時間外労働と発病5か月前の時間外労働時間の差は16時間
41分である。これは認定基準の20時間以上の変化には満たないが、病院
の平常時の時間外労働時間の平均値は発病12か月前から発病9か月前まで
が66時間24分であり、発病3か月前から発病1か月前までの平均値は8
1時間8分であることから、発病7か月前から発病4か月前の間の時間外労
働、特に発病5か月前の103時間29分は突出して多いものである。よっ
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てその心理的負荷は「中」である。
⑻「複数名で担当していた業務を1人で担当するようになった」に該当するこ
と
原告Xは、平成27年1月19日~平成27年3月31日までの間、病
院関係者 B が休職したことによって、64列CTの検査を一人で行った。病
院関係者 B は16列CTの担当ではあるが、16列CTはそもそも検査数が
少なく、基本的には使わないというのが部署の方針であった。そのため一日
当たり5時間程度、原告Xと病院関係者 B は二人で64列CTを行ってい
た。この業務を、病院関係者 B が休職したことにより原告Xが一人で行う
ことになった。このため、業務内容・業務量が増加するとともに、職場の支
援が少なく、業務に係る相談や休暇取得が困難になった(甲27)。「二人で
担当していた業務を一人で担当するようになった」に該当する。これによる
心理的負荷は業務による心理的負荷評価表に当てはめると「中」となる。
⑼「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」又は「顧客や
取引先から対応が困難な注文や要求等を受けた」に該当すること
ア 平成27年1月16日に医者から右心房血栓の撮影失敗に関するクレー
ムを受けている。この撮影は院内で過去に経験のない撮影であり、CT 機器
メーカーや造影剤注入器メーカーの協力の元、後日ようやく成功した検査
であり、その準備や再撮影の事後対応を行っている。
イ 原告Xは、同年5月19日、患者からクレームを受けた。
ウ 同年5月22日には病院関係者 B が作成した CD が間違っていたことの
責任を取らされ、依頼先からの叱責や依頼先への謝罪や、訪問の日程調整、
CD の再作成などを行い、インシデントレポートの作成などの事後対応を
行った。
エ 原告Xは同年7月8日の宿直中に、暴力事案発生による緊急呼集であ
るコードホワイト(コードホワイトの意味について甲88)の発令を受け
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て現場に駆け付けた。男性が暴れており、原告Xが駆けつけた時点では
男性はすでに事務員を1名殴っていた。他の男性職員とその男性を取り囲
んだ原告Xは、説得を続けたが、暴れる男性は椅子を蹴飛ばしたりカウ
ンターを叩くなどの暴力行為を行っていた。最終的に50分ないし1時間
対応した。原告Xは特別な対応訓練を受けておらず、病院にはさすまた
などの保安用具もなかった。
オ これらの出来事は、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を
受けた」の項目の「顧客等から、威圧的な言動などその態様や手段が社会
通念に照らして許容される範囲を超える著しい迷惑行為を受け、行為が反
復・継続していない」に当てはまるか、旧認定基準の「顧客や取引先から
クレームを受けた」に該当し、これが統合された項目である現認定基準の
「顧客や取引先から対応が困難な注文や要求等を受けた」で評価されるべ
きである。
なお、認定基準では、心理的負荷の総合評価の視点として「会社の対応
の有無及び内容、改善の状況等」とされている。エのコードホワイトにつ
いて、原告Xは特別な対応訓練を受けておらず、さすまたなどの保安用
具もないことからすれば、会社の対応はなく、適切な改善がされていない
と評価できる。このことから原告Xは危険を感じたのである。
これらの出来事の心理的負荷の強度は「中」であるが、エのコードホワ
イトは会社の適切な対応がないことからすれば心理的負荷の強度は「強」
と言うべきである。
⑽ 「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」に該当すること
ア 病院では、結核などの空気感染疑いへの対応やその他接触感染の感染症
への対応、逆に抵抗力の低い患者にこちらの常在菌感染を起こさせないた
めの防護対応などは日常的にあった。また検査中に嘔吐される場合も珍し
くなく、嘔吐物の処理は看護師と一緒に行っていた。この出来事は、
「感染
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症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」の項目の「中」の具体
例の「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事し、防護等対策も
一定の負担を伴うものであったが、確立した対策を実施すること等により
職員のリスクは低減されていた」に当てはまる。心理的負荷の強度は「中」
である。
イ 病院では法令に違反し、CT 室の鉛ガラスから X 線が漏洩していた。頭
頚部への被ばくは、がんなどの発生率を高めることが知られている。漏洩
を知ったのは平成27年3月であるが、漏洩が始まったのは装置設置時か
らである。
なお、厚生労働省が定める施設基準は放射線管理区域の境界で3か月あ
たり1.3mSv以下であるが、漏洩線量は3か月あたり4.0mSvで
あった。
原告Xは、被ばくする危険を感じながら業務に当たっており、これは
病気の危険性が高い業務であったと言える。
この出来事は、「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」
の項目の「中」の具体例の「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に
従事し、防護等対策も一定の負担を伴うものであったが、確立した対策を
実施すること等により職員のリスクは低減されていた」に当てはまる。心
理的負荷の強度は「中」である。
⑾「業務に関連し、違法な行為や不適切な行為等を強要された」に該当するこ
と
ア 原告Xは、平成25年7月から平成26年3月までCT撮影者改竄の
指示を病院関係者 A から受けて、これを行った。その結果病院は、患者や
保険組合から総額最大430万5千円を不正に受領していた。原告Xは、
一度は反対したがパワーハラスメントの恐怖心からそれに従っていた。
不正が明確に立証できるのは、平成25年8月から平成26年1月まで
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であり、病院長も事実であると認めている。これは詐欺および電磁的記録
不正作出罪として逮捕・起訴される可能性のある行為であった。
イ 刑事事件の時効は令和2年8月以降順次成立し、令和3年1月29日に
最後の事案の時効が成立した。原告Xは、時効が成立し始めた段階で警
察に相談し、逮捕される可能性がないことを確認してから内部告発や労災
請求を行った。
原告Xは、この不正を命じられたことが心理的負荷になっていた。
ウ この出来事自体は発病前6か月より前である。しかし、原告Xは不正
が発覚し刑事訴追を受けるのではないか常に不安を感じていたのであるか
ら、出来事による心理的負荷が長期間継続しているといえる。「強」の例に
ある「業務に関連し、重大な違法行為を命じられ、何度もそれに従った」
といえるのであり、その心理的負荷は「強」である。
⑿「業務に関連し、重大な人身事故、重大事故を起こした」に該当すること
原告Xは、平成27年2月10日の造影検査において血管外漏出事故を
起こした。原告Xが、事故後すぐに患者に謝罪したことや怪我自体も青あ
ざ程度で済んだこと、事後対応が的確であったためクレームにはならなかっ
た。また検査手順自体に落ち度がなかったことから指導の対象にはならなか
った。しかしながら事故の規模が小さかったことは偶然であり、重大事故一
歩手前であった。
原告Xは、他にも複数回の造影剤アレルギー事案に遭遇している。これ
は1、2か月に1度程度の頻度でしか起きないイレギュラーな事案であり、
急激な血圧低下を伴うもので緊急度が高い事案である。これらを起こしたこ
とによる心理的負荷は弱いものではない。これは「業務に関連し重大な人身
事故重大事故を起こした」の項目の「中」の具体例の「他人に負わせた怪我
の程度は重度ではないが、事後対応に一定の労力を要した」に一致するため、
その心理的負荷は「中」であった。
訴状 14 / 22
⒀ 小括
以上から「強」が⑶、⑾の2個、
「中」が⑷、⑸、⑹、⑺、⑻、⑼、⑽、⑿、
の8個認められる。
これらは、時間的にも重複している部分もある。総合して判断すれば「強」
と評価するべきである。原告Xは、総合すれば心理的負荷の強度は「強」
と評価するべき心理的負荷を受けて、統合失調症を発病したのであるから、
原告Xの統合失調症の発病は業務上のものであり、業務と統合失調症の発
病の間には相当因果関係がある。
3 原告Xの精神障害の悪化
令和3年3月31日に行われた病院長および事務長との三者面談において、
休職の打診が病院側から行われたため、原告Xはそれに合意した。その後、
同年4月9日には原告Xの主治医宛てに病院の産業医から悪化を認めるため
同年5月1日より休職措置をとる旨の連絡があった。
原告Xは令和3年3月に5回の体調不良による午前有給休暇を取得してい
る。これは統合失調症の倦怠感によるものであるが、それまでの月は0回から
2回程度である。
病院長は原告Xの部署の人から、「原告Xにはフルタイムの勤務がもう
きつそうである」旨聞いていると証言しており、また同年3月の主治医の診察
では原告Xは幻視があった旨を訴えているが、それまで幻視は訴えていない。
よって令和3年3月中旬、原告Xの精神障害は悪化したと言うべきである。
4 原告Xの精神障害悪化の業務起因性
⑴「上司とのトラブルがあった」に該当すること
ア 原告Xは令和2年12月中旬、新型コロナ感染症の院内感染拡大事案
が発生した際に感染および濃厚接触者にならず出勤停止を免れた。その結
果、急遽、原告Xを含む6名の診療放射線技師で、1週間の間、当直を
含む放射線部業務を行うこととなった。6名体制となる前日の深夜になっ
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ても、当時技師長職にあった病院関係者 G(出勤停止対象者)からの業務
に関する指示が行われなかったため、原告Xは独断で病院関係者 L に直
談判するための業務資料を作成し、翌朝出勤した際に、病院関係者 L に電
話し、駆けつけた病院関係者 V にその資料を提出した。その行為に対して
病院関係者 G は激怒し、その日の昼頃に電話で口論となった。
イ 病院は令和2年2月に初めて原告Xが労災申請を検討している旨を知
った。それ以降、令和2年5月頃には不正会計の時期を含めた朝会議記録
の廃棄、令和2年8月には発症時期の確定やパワーハラスメントの立証に
必要な原告Xの指導記録の廃棄、令和2年12月頃には役職会議記録の
あった部屋の鍵の保管場所を原告Xが不知の場所へと変更されている。
これらの行為は明らかに労災請求の証拠収集の妨害を意図したものであり
原告Xの心理的負荷になっていた。
ウ 原告Xは平成25年8月から平成26年1月にかけて行われた不正会
計について令和2年9月に病院長に対して証拠資料と共に内部通報をした。
その後同年12月に通報した不正会計が事実であった旨を病院長および事
務長との三者面談にて報告を受けた。その際に放射線部の関係者に聞き取
り調査をした旨の説明を受けたが、その後、部署の人に確認したところ実
際には聞き取り調査は行われておらず、原告Xは病院がこの事案を隠蔽
するのではないかと不信感を感じていた。原告Xが、病院が患者や保険
組合に対し返金する方針であることを知ったのは令和3年3月31日に行
われた三者面談でのことである。その後、原告Xは一切の当該事案に関
する経過報告を受けておらず、ホームページ等での公表もないことから返
金していない可能性が高い。被告は公益通報者保護法のガイドラインに基
づき原告Xに対して返金の経過についても報告すべきであるので、乙号
証にて返金した旨を示す領収書や厚生局とのやり取りに関する記録の提出
を求める。
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エ これは認定基準の「上司とのトラブルがあった」に該当し、その精神的
負荷は「中」である。
⑵「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」に該当すること
病院では令和2年12月中旬より令和3年1月末日にかけて新型コロナ感
染症の院内感染拡大事案が発生し、放射線部では一時的に半数以上の人員が
出勤禁止措置となった。この事態に対して院内では急遽ゾーニングが行われ、
グリーンゾーン、イエローゾーン、レッドゾーンが設定された。原告Xが
当時、主に担当していた血管撮影検査は全て中止となり、職員一丸となって
事態の収束に当たった。その際に原告Xは、幾度となくレッドゾーンに立
ち入り撮影業務を行っている。また CT 検査が必要な患者に対してはレッド
対応として細心の注意を払いながら CT の撮影業務を行っている。この頃は
新型コロナ感染症の第三波の頃であり、新型コロナ感染症が飛沫感染なのか
空気感染なのか等、明らかになっていないことも多かった。また連日の死亡
報道等もあり原告Xは不安を感じながら業務に当たっていた。令和3年2
月の外来診療再開後も、当面の間、厳戒態勢は続き緊張状態を強いられてい
た。このことは認定基準の「新興感染症の感染の危険性が高い業務等に急遽
従事することとなり、防護対策も試行錯誤しながら実施する中で、施設内に
おける感染等の被害拡大も生じ、死の恐怖等を感じつつ業務を継続した」に
該当し、精神的負荷は「強」である。
⑶ 悪化に業務起因性があること
原告Xは、コロナウイルス感染拡大のなかで上司とのトラブルになり、
また、感染の可能性が高い業務等に従事するなどし、感染拡大の中で業務を
行ったのであるから、その心理的負荷の総合評価は「強」というべきである。
原告Xはこれらの心理的負荷によって発病していた統合失調症を悪化させ
たのであるから、同年5月1日から統合失調症の悪化により休職に至ったこ
とについて業務起因性を認めるべきである。
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5 小括
以上の通り、原告Xは、総合すれば心理的負荷の強度は「強」と評価する
べき出来事があって、統合失調症を発病した。さらに心理的負荷の強度が「強」
と評価すべき出来事があって、統合失調症を悪化させた。この統合失調症の発
病および悪化は業務に起因するというべきである。業務と統合失調症の悪化の
間には相当因果関係がある。
第4 安全配慮義務違反
1 安全配慮義務
「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつ
つ労働ができるよう、必要な配慮をするものとする。」(労働契約法5条)とさ
れており、被告は使用者として、原告Xに安全配慮義務を負っている。
2 安全配慮義務の内容
安全配慮義務違反が認められるためには、結果についての予見可能性と結果
の回避可能性の存在が前提となるとされている(最高裁第三小法廷昭和59年
4月10日判決)。
業務の過重性により精神障害を発病し、悪化した場合には、客観的な業務の
過重性を認識していれば、精神障害の発病、悪化に至る可能性を認識していた
と言ってよいから、予見可能性も、結果回避可能性も認められるというべきで
ある。
3 被告の安全配慮義務違反
⑴ 長時間労働等を認識していた。
被告は、原告Xが長時間労働になっていたこと等、上記で主張した原告
Xの労働の実情を認識していた。あるいは容易に把握することができた。
被告は、原告Xの過重な労働を認識し、認識し得たのであるからこれに
よる精神障害の発病、悪化の可能性を予見できた。
被告は、原告Xに精神障害を発病し、悪化しないように業務の負荷を軽
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減し、時間外労働を制限するなど原告Xの勤務の条件を整えて、発病、悪
化の結果を回避する義務を有していた。その回避も十分に可能であった。
⑵ 被告の安全配慮義務違反
被告は、上記のように原告Xが過重な労働に従事していたにもかかわら
ず、業務の過重性を軽減させることなく労働をさせ続けていた。被告には、
安全配慮義務違反があるというべきである。
よって、これについての慰謝料が発生する。
また、原告Xの精神障害の発病、悪化は業務に起因することは明らかで
あるから、本件自然退職扱いは労働基準法19条に反して違法であり、地位
の確認を求める。
また、精神障害の発病によって業務ができないことから、休職してからは
賃金相当額の損害金が発生している。
第5 損害
1 損害の概要
原告Xの損害は、休職してから現在までの賃金相当損害金、実費、統合失
調症を発病し、現在まで療養を余儀なくされていることの慰謝料である。原告
Xは現在も治療し、療養中であるから本訴訟での請求は一部請求である。
また、原告Xの母、原告Yにも精神的苦痛が生じており、これについて
の慰謝料も請求する。これについても請求するのは原告Xの現在の状況に至
るまでのことについての慰謝料であり、一部請求である。
2 賃金相当損害金
⑴ 年収
原告Xは令和2年時点において年収は499万7119円であった。し
かし、原告Xは当直の際や朝会議、制服への更衣に残業代が発生するにも
かかわらず支払を受けていなかった。令和2年において未払いの給与が10
8万4047円であった。原告Xの損害を基礎づける本来の年収は608
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万1166円である(甲1)。
⑵ 休業期間
そこで令和3年5月から令和7年1月までの3年9か月間の損害は228
0万4372円である。(計算式 608万1166円×3.75)
また、原告Xは、令和7年2月以降も、業務ができない状態が続いてい
るから、毎月25日限り、原告Xの年収相当額の1/12である50万6
763円の損害金が発生しており、これを請求する権利が発生する。
3 実費
原告Xは、実費として以下の支出をしている。
医療費 7万8660円
診断書作成料 7万7000円
カルテ複写料金 210円
労災請求に係る弁護士費用 54万6500円
合計 70万2370円
(甲117参照)
これは、被告の安全配慮義務違反がなければ支出しない金額であるから損害
である。
4 原告Xの慰謝料
原告Xは、被告の安全配慮義務違反である上記行為により、精神障害を発
病した。また、被告は、それにもかかわらず、業務上の災害であることを考慮
せずに、原告Xを、休職期間満了により自然退職扱いとして雇用関係を終了
させた。これにより、原告Xは、多大な精神的苦痛を受けた。
また、これは精神科初診の平成28年4月から令和7年1月まで通院期間1
06か月もあった。
これらの、精神的苦痛を慰謝する慰謝料は700万円を下らない。
なお、原告Xは、令和7年2月以降も、治療継続中であるから入通院慰謝
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料はさらに増額する可能性がある。
5 原告Xの今後の損害
原告Xは、当面の間、統合失調症で休業するから、その間の賃金相当額が
損害金として発生する。
すなわち、令和7年2月から、本判決確定までの間、毎月25日限り50万
6763円の賃金相当損害金が発生する。
6 原告Yの精神的苦痛に対する慰謝料
原告Xの母である原告Yは、原告Xが精神障害を発病したことにより
原告Xを実家である自宅に帰らせ、現在も日常生活を一緒にしている。この
近親者の精神的苦痛は、原告Xの損害を補償し、精神的苦痛を慰謝しても足
りないものであって不法行為が成立するから、別途原告Yも、不法行為に基
づく慰謝料の請求をするものであり、その慰謝料額は100万円を下らない。
7 弁護士費用
上記金額のうち実費を除き既に発生したものの合計の10%は弁護士費用と
して損害とするのが相当である。
原告Xの実費を除く損害金は2980万4372円であるから、弁護士費
用はその10%の298万0437円である。
原告Yの弁護士費用は100万円の10%の10万円である。
8 遅延損害金
原告Xは、令和6年4月19日付けで、原告Xの損害について、被告に
内容証明を送付して請求し(甲1・56頁)、その書面は、同年4月22日に送
達された。そこで、原告Xの請求については、令和6年4月22日の翌日の
同月23日から遅滞に陥っている。
原告Xの令和7年2月25日以降の賃金相当損害金は、支払い日の翌日か
ら遅滞に陥ると考えて同月26日から遅滞に陥っている。
原告Yの、被告に対する損害賠償請求については、少なくとも本訴状送達
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の日の翌日から遅滞に陥っている。
第5 結語
よって原告Xは、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確
認を求めるとともに、安全配慮義務の債務不履行による損害賠償として賃金相当の
損害金として2280万4372円、また通院をする状態にあることの慰謝料とし
て700万円、これらの損害に対する弁護士費用相当の損害金として298万04
37円の合計3278万4809円を請求する。
同様に実費相当の損害金として70万2370円を請求する。
これらに対し、それぞれ、令和6年4月23日から支払済まで年3%の割合によ
る金員の支払を請求する。
原告Xは、令和7年2月以降も、業務ができない状態が続いているから、毎月
25日限り、原告の年収相当額の1/12である50万6763円の損害金が発生
しており、これを請求する権利が発生する。令和7年2月25日から本判決確定日
まで毎月25日限り50万6763円及び各支払日の翌日から支払済みまで年3%
の割合による損害賠償金の支払いを求める。
原告Yは、被告に対して、不法行為に基づく損害賠償として110万円及びこ
れに対する本訴状送達の日の翌日から支払い済みまで民法所定の年3%の割合によ
る遅延損害金の支払いを求める。
証拠方法
証拠説明書のとおり
添付書類
1 訴状副本 1通
2 訴訟委任状 2通
3 甲号証 各1通
なお、御庁の民事第1部に関連訴訟として下記の事件が係属している
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令和6年(行ウ)第13号 療養補償給付不支給処分取消請求事件 令和6年(行ウ)第40号 休業補償給付不支給処分取消請求事件
AMENDMENT / FEBRUARY 28, 2025
訴えの変更申立書
令和7年2月28日 請求金額の拡張