CIVIL CASE / 8th HEARING
乙第15号証
被告側証人陳述書
DEFENDANT WITNESS STATEMENT / EXHIBIT OTSU NO. 15
乙第15号証 陳述書
被告側証人 証人W
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1 私は、被告の社会医療法人名古屋記念財団の運営する名古屋記念病院 (以下、 「当病院」といいます。) で事務部職員課課長として勤務している証人Wで す。 私は、平成 2 3 年に名古屋記念病院に入職し、職員課に配属され、令和 2年 からは同課課長と して勤務しております。 業務内容としては、医療従事者・職員の労務管理業務や社会保険や労災関連 などの各種行政手続、職員相談対応業務等も行っています。 2 私が本件に関わるようになったのは、令和 2年9月 8日に、放射線部のG技 師長から原告X氏の件について相談を受けたことが始まりです。 G技師長からは、原告X氏から診断書が提出され、診断書には「当直 勤務は問題なし。当直明けや回数に配慮を」という則の記載があるため、どの ように対応していくべきかと相談を受けました。 私は、少なくとも診断書の内容を踏まえ、産業医と面談をする必要があるの で、差し当たって当直勤務は控えるべきと回答 しました。 同年9月2 3日に、職場環境調整委員会の案件として、医療安全管理部のR マネージャーとともに、 原告X氏と面談を しました。 原告X氏 と直接話をしたのはこの日が初めてでした。 当病院には、職場環境調整委員会という委員会が設置されており、院内の職 員相談を行っているのですが、元々原告X氏がその窓口であった医療安
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全管理部のRマネージャーに相談している中で、労災についての相談内容が あったため、労災を管轄する部署の職員と して、私に出席依頼があり、面談を 行ったものです。 原告X氏の相談内容としては、主に、障害者認定をされた場合、自分 の身分や待遇に変更が生じるのか、労災申請をする予定なので、申請書に記 名・押印、若しくは押印拒否書が欲しいというものでしたが、そのほかにもハ ラスメントなど現在本訴で主張されているのと同内容のことを主張されていま した。 その後、原告らが本訴を提起したとのことで、職員の労務管理や労災関係の 業務を担当していた私が、本訴での原告らの主譲について、関係者から事情を 聴取したり、記録を確認する等対応してきましたので、以下陳述します。 3 原告らの病院関係者A、Jからパワハラを受けたとの主張について 原告X氏が当病院に入職した平成 2 4 年4月以降の職員相談、ハラス メント相談記録等を確認 しましたが、原告X氏からの申告や病院関係者 から病院関係者Aが原告X氏にパワハラをしていたなどとする報告の記 録はありませんでした。 この点、名古屋東働基準監督調査官による精神障 害の業務起因性判断のための調査復命書 (甲5 7) の1 6 9頁や電話聴取書 (甲5 9、6 0) には、上司や同僚からの聴取内容として、概略、原告X 氏はミスなどが多く、病院関係者AやJから指導を受けていたが、病院関係 者A、Jとも乱暴な言葉は使っていない、病院関係者Aは対応に苦慮し、 原告X氏を気遣っていた旨記載されています。 病院関係者Jについても同様に原告X氏からのパワハラの申告や他の 病院関係者からの報告等の記録はありませんでした。 4 原告らのCT撮影件数について達成困難なノルマが課せられた等の主張につ いて 病院関係者Gや他の放射線部の技師など複数の病院関係者に確認しましたが、 当時CTとMR1で前年度の実績を参考に担当者が自主的に目標件数を設定す ることはあったものの目標件数はあくまで目標 (目安) であり、達成しなかっ たからといって罰則や査定の評価が悪くなることは一切なかったとのことでし た。なお、このような目標は現在も前年度と同じ件数か若干多い件数を設定し
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ており、あくまで目標であって、査定の評価や罰則等のないことは、当時も現 在も同様とのことです。 また、「CTC読影スキル習得課題」「CT被ばく線量の確認作業と撮影条 件の再検証作業」は、原告X氏に対する特別な課題ではなくCT担当者 としての技能向上を目的とした課題でやり、「医学物理士の資格取得」は当時 の資格取得条件を充たしていた原告X氏の個人としての目標でしたが、 いずれも達成しなかったからといって罰則や査定の評価が悪くなることは一切 なかったとのことでした。上述の甲5 7 でも同種の経験を有する労働者であれ ば行える程度のものだったと認定されています。 なお、甲8から平成27年1月から7月までのCT撮影目標件数を集計する と、乙9の通り1台当たり1日平均撮影目標件数は3 3. 8件となり、兵庫県 病院平均 (3 0 0床以上5 0 0床未満) の1日平均3 2. 5件とほぼ同等であ って、2~2. 5 5倍とする原告らの主張は事実に反するものです。 5 原告らの発病前6 か月の1か月あたりの時間外労働が8 0時間を超えていた との主張について 原告らは、時間外労働について、まず待機時間を含めた計算をしていますが、 待機時間は当病院内で待機する必要のない自由な時間であり、呼び出しに応じ て対応した場合に、実対応時間分を時間外手当で支給しており、待機時間中で 実対応していない時間は労働時間には該当しません。また、発病前6 か月を平 成2 7年1月~6月とすると、乙 1 の通り原告X氏の時間外労働は、1 か月に20時間から最も多かった同年3月で30時間40分であり、原告らの 主張は事実に反します。 また、原告らは、当直時間は全て労働時間である旨主張していますが、当直 時間中に撮影等で実労働が発生した場合以外の時間は、仮眠を取ったりテレビ を見たりして過ごすことができ、全て当病院の指揮命令下にある労働時間では ありません。 待機勤務についても、当病院から呼び出しがあった時に 3 0分以内に到着す ることを求めていますが、行動を制限することは行っておらず、実対応時間以 外は労働時間ではありません。乙10は、甲23と甲124をもとに、平成2 7年1月から7月の原告X氏の待機時間中における対応実績を整理した
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ものですが、この表にある通り待機勤務時の呼び出しによる対応実績は期間中 の待機勤務19回中4回のみであり、実際に対応した時間は合計で10時間1 5分です。 6 原告らの2週間以上にわたって連続勤務を行ったとの主張について 原告らは、 平成27年1月5日から同月17日にかけて13日間連続で勤務 を行ったと主張しています。 この点、乙2は当病院が平成26年12月に作成した、平成27年1月の勤 務表ですが、これを見ると1月10日 (土) は当初別の放射線技師が勤務する ことになっでていたものが手書きで原告X氏に変更されていることがわか ります。これはどちらかの要望など当人間の話し合いによって同日の勤務を変 更したものと考えられ、当病院が原告X氏に連続勤務を課していたもの ではないことがわかります。 1月10日 (土) は半日勤務、翌11日 (日) は 当直勤務が組み込まれたものであり、11日日中は日曜日で休診であるため、 急愚等に対応するのみで労働密度が高いものではありません。 上述の調査復命 書 (甲57) でも、「シフト上土曜日の半日勤務日曜日の当直勤務に従事し ているもので、平日だけでこなせない業務量や休日に対応しなければならない 業務が発生したものではない。」とされています。 また、原告らは、同年3月8日から同月20日についても連続勤務を行った と主張していますが、このうちも同月 8日、9日はシフト上当直勤務が組み込ま れていますが、9日は当直明けで休日ですし、同月15日は休日に待機勤務の シフトが組まれているもので、いずれについても連続勤務には該当しません。 7 原告らの仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があったとの主 張について 原告らは、 平成27年1月19日一同年3月31日までの間、病院関係者B が休職したことによって、原告X氏の仕事内容・仕事量に大きな変化が あった旨主張しています。 しかしながら、原告らの主張する発病6か月前を平成2 7年1月とすると、 1 の通り、同月の原告X氏の時間外労働時間は27時間35分、同年 2月は29時間であり、その差は1時間25分に過ぎません。また、乙1では それ以前に遡って時間外労働時間を計算していますが、原告らの主張するよう
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な大きな変化は認められませんでした。 また、原告らは病院関係者B の休職によって複数名で担当していた業務を1 人で担当するようになったとも主張しています。 しかしながら、放射線部の複数の関係者に確認したところ、元々64列CT は原告X氏が担当しており、病院関係者Bは手がすくと原告X氏 を手伝っていたにすぎず、また、病院関係者Bの休職中は他の職員でCT業務 のサポートを行っていたとのことでした。上述の甲57でも172頁に調査結 果として他の複数の職員でフォローしていたとされており、事案の概要 (認定 した事実) の中で、「非常勤職員が担当していたCT装置での撮影は他の労作 者によって行われており、非常勤職員の業務を全て請求人が一人で行う状況で はなかったことから、発病に関与した出来事として評価しない」とされていま す。 8 原告らの施設利用者等から著しい迷基行為等を受けたとの主張について この点、まず平成27年1月16日に受けたとするクレームについては、日 報等の記録を確認しましたが、そのようなクレームの事実は確認できませんで しレた。 同年5月19日に受けたとするクレームについては、部会の日報からCT業 務担当者からの報告としてクレームがあったとの記載があることは確認できま したが、クレームを受けたのが原告X氏かどうかは確認できませんでし た。 同年5月22日のクレームの件については、当病院内のインシデントレポー トをまとめているシステムを確認しましたが、原告X氏からも他の職員 からもインシデントレポートは提出されていませんでした。 同年7月8日のユードホワイトの件については、記録 (4の1て3) を確 認したところ、初期対応をした看護師2名と警備員1名が受傷した事実、当該 患者の対応に50分て1時間ほどの時間を要した事実やユードホワイトに原告X氏も招集された事実はありましたが、コードホワイトの招集後は、多 人数の職員で対応しており、当該患者の暴言はあったようですが、原告らの主 張する鞭力行為を行ったという記録はありませんでした。 9 原告らのC本室から双線が漏洩していたとの主張について 5
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原告らは、独自の測定をもとに、当病院のCT室からX線が漏洩していた旨 主張しています。 しかしながら、当病院が依頼した平成21年と令和7年の測定では、X線の 漏洩は認められませんでした。 平成21年の測定は、乙7の通り東芝メディカ ルシステムズ株式会社 (現: キヤノンメディカルシステムズ株式会社) が行っ たもので、令和7年の測定は乙8の通り株式会社春木メディカルサービスが行 ったもので、いずれもX線装置の設置時や点検時などのX線漏えい線線量測定 を業務内容とおり、病院など放射線を扱う施設を対象に、現地での漏洩線量の 測定により作業者の被ばくの評価や施設の線量管理状況を把握し、規制基準へ の適合や安全対策の立案・改善を支援する業務を担う専門業者が行ったもので、 信用性の高いものです。 また、原告らは、測定方法についても主張していますが、乙 7 、8 が採用し ている積算モードは一般社団法人日本画像医療システム工業会策定の「X線診 療室の管理区域漏えい線量測定マニュアル」 (乙14) で、一般X線撮影状 置やX線CT装置などが対象とされている方式であり、乙 7 、8の測定方法に 誤りはなく、したがって当病院のCT室におけるX線漏洩は認められないもの です。 10 原告らの平成25年7月から同26年3月まで病院関係者AからCT撮影者 改竄の指示を受けて行っていたとの主張について この点、令和2年10月に、原告X氏からその内容の申告がありまし た。 原告X氏からの申告を受けて東海北陸厚生局に確認したところ、専 従者以外の者 (原告X氏) が64列以上のCT撮影をすること自体は間 題はないが、専従者の要件に関しては、「専従者」は所定勤務時間において他 の業務を兼ねることは一切できないとの回答でした。 これを受け、当病院内で改めて技師長を窓口として関係者に調査確認し、専 従者の勤務状況を精査したところ、平成25年5月~同26年1月の期間につ いて、 64列以上のCT専従要件を充たしていないことが判明しました。 ただ、既に改人である病院関係者Aが原告X氏に改ざんを指示してい たかは確認できませんでしたし、そもそもこの期間は原告X氏が主張す る発病時期の6か月以上前のことです。
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11 原告らの業務に関連し、重大な人身事故、重大事故を起こしたとの主張につ いて この点、平成27年2月10日に造影検査において血管外漏出事逆を起こし たとの点については、そのような事故の有無について確認できませんでした。 また、造影剤アレルギー事案については、一定の頻度で起こりうるものであ り、放射線技師としては一緒に業務を行う看護師等と調整しながら業務を行う もので、放射線技師の業務としては心理的負荷が弱くないと評価することはで きないと思います。 12 原告らの令和3年3月中旬に原告X氏の精神障害が悪化したとの主張 について この点に関し、同年3月中旬の主治医の診察で原告X氏が幻視があっ た旨訴えているが、それまで幻視は訴えていないと主張していますが、甲57 の個体側要因の評価の既往症の欄 (1 6 6 頁) では、平成 1 9年秋ごどろに幻視 の症状が出現した旨記載されており、甲6 5・4 4頁では、〇〇クリ ニックの診療録に「平成28年3月一幻聴」との記載があるときれています。 また、甲106によると、令和2年11月13日に「疲れると幻聴」との記載 もあり、原告らの上記主張は事実に反します。 13 原告らの精神障害悪化の業務起因性の主張について 原告らは、令和2年12月中旬に原告X氏が上司 (病院関係者G) と の間でトラブルがあった旨主張しています。 これは、 原告X氏が上席の職員が複数いた中で、独断で院長に対する 資料の作成や提出を行ったため、上長である病院関係者Gがそのことに対して 指導を行ったものであり、精神障害の悪化の業務起因性の要素となる「上司と のトラブル」には該当しないと思います。 また、原告らは、令和2年2月に原告X氏が労災申請の検討をしてい ることを当病院が知り、朝会議記録や指導記録を廃棄し、役職会議記録の鍵の 保管場所を変更したことが、 原告X氏の心理的負荷になっていた旨主張 しています。 しかし、当病院が原告X氏の労災申請の検討の意思を知ったのは、同 年7月22日に原告X氏の申出により当病院の職員相談窓口担当の職員
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との面談時に同氏が発言した時が初めてでです。また、朝会議記録や指導記録は 廃棄したのではなく、PDF化して保管することとなったものですし、役職会 議記録の島の保管場所の変更は、職員が無断で侵入して机などを物色している との情報があったため、個人情報漏洩の可能性が否定できないため変更したも のです。そもそもこれらの事実は、原告X氏の労災申請の検討を知った から行われたものではない上に、それらと同氏の心理的負荷との間に関係はな いと思います。 19 原告らの感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事したとの主張につ いて 原告らは、令和2年12月中旬より同3年1月末にかけて新型コロナウイル ス感染症の院内感染拡大事案が発生し、①放射線部では一時的に半数以上の人 員が出勤禁上措置となり、②急層ゾーニングが行われ、③原告X氏は幾 度となくレッドゾーンに立ち入り撮影業務を行った、④当時は新型コロナウイ ルス感染症が飛涼感婦なのか空気感染なのか明らかになっていないことも多か った等と主張しています。 ご承知の通り、いわゆる新型コロナウイルス感染症は現代では例がなかった ことであり、医療従事者は対応に迫られ、③の原告X氏のようにレッド ゾーンに立ち入って業務を行わざるを得なかったことは事実です。ただ、①に 関しては、確かに令和2年12月中は一時的に20名中9名の職員が出勤停上 となりましたが、翌3年1月の出勤停目者は0でした。②のゾーニングに関し ては急逮行われたものではなく、令和2年2月に作成した「渡航者・接触者外 来マニュアル」で記載され、それ以降新型コロナウイルス感染症過者の入院受 け入れを行う場合に随時状況に応じて行わもれてきたものです。また④の感染経 路についても、既に令和2年2月13日付で厚生学働省医政局地域医療計画課 が発出した「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応について」 に記載されている「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイ ド」 (乙5) で、「飛涼及び接触でにトーヒト感染を起こすと考えられていま すが、空気感染は否定的です」と記載されている通り、この時点で空気感染は 否定的とされていました。当病院でも上記マニュアルに基づく感染対策を継続 するとともに、令和2年3月に全職員を対象に行った感染対策研修においてや
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飛涼・接触感染であることを念頭に説明しており、この研修は原告X氏
も受講しています。
このように、新型コロナウイルス感染症の墓延によって、医療従事者に一定
の負荷がかかったのは事実ですが、それは原告X氏に限ったことではな
く、また、当病院を含めた医療機関では上記のようなマニュアルや対策を取っ
ていたのであり、その心理的負荷が強いものではなかったと思います。
以 上