CIVIL CASE / 5th HEARING
被告 準備書面(3)
DEFENDANT'S PREPARATORY BRIEF NO. 3 / DECEMBER 8, 2025
準備書面(3)
令和7年12月8日 被告提出
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令和7年(ワ)第493号 地位確認等請求事件
原 告 原告X 外1名
被 告 社会医療法人名古屋記念財団
準 備 書 面(3)
令和7年12月8日
名古屋地方裁判所民事第1部合ホE係 御中
被告訴訟代理人弁護士 鹿 倉 祐 一
令和7年10月14日付原告準備書面 (3)に対し、必要と認める範囲で 以
下の通り主張・反論する。
1 同準備書面第2 1項(5)「鉛ガラスの改修を拒否された事について」 、
8項(2)「鉛ガラス窓強度不足によるX線被ばくについて」及び9項(3)
「施設基準を満たさない状態で業務を続けさせられたこと」 に対する反論
原告は、被告病院のCT室について、鉛ガラス窓の強度不足からX線が 漏
えいしていた旨主張する。
この点、被告では、CTを設置した時期である平成21年5月7日に第三
者の専門業者に依頼して、X線漏えい線線量の測定を行 った結果、漏洩して
いない事実が確認されている(乙7)。また、既に主張した通り、令和7年
7月17日にも改めて別の第三者の専門業者に依頼して、X線漏えい線線量
測定を行い、漏洩していない事実が確認されている(乙8)。
これらの測定は第三者の専門業者に依頼して行ったものであり、原告のX
線の漏えいに関する主張は、その前提を欠くものである。
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2 同2項「達成困難なノルマが課せられたについて」に対する反論 (1)既に主張した通り、 放射線部という部署の目標として、CT撮影件数が 挙げられていたものであり、件数不達成によるペナルティ等もないのであ り、あくまで「目標」で、「ノルマ」ではない。一般に、業務目標を達成 することを目指すのは、その業務に従事する者として当然であり、目標に 向けて改善していくことに問題はない。 また、この点も既に主張した通りであるが、甲8から平成27年1月か ら7月までのCT撮影目標件数を集計すると、1台当たり1日平均撮影目 標件数は33.8件であり、原告のこの点に関する主張は事実に反する。 すなわち、甲8 (2~5頁) によると、平成27(2015)年1月の 目標件数は、1951件、2月は1904件、3月2153件、4月20 15件、5月2038件、6月2104件、7月2104件であり、この 7か月間の平均は2038.4件となる。これを各月の平均日数で除する と日別の目標件数は67.7件となり、1台当たりの1日平均撮影目標件 数は33.8件となる (乙9)。したがって、全国平均の2.6~3倍と する原告の主張は事実に反する。 (2)同項(9)記載の①~④について ①で主張する業務改善提案書の提出は確認できない。②③に関しては、 業務目標の達成を目指すことや反省点の報告は、業務の改善等のため当然 行われるべきものである。④に関しては、CTの業務は技師1名で行うも のではなく、目標件数についても技師1名の目標ではなく、部署全体の目 標件数である。 3 同3項「労働時間について」に対する反論 (1)同項(7) 「待機勤務について」 の主張部分 原告は、被告が意図的に4~7月のみを取り出したと主張しているが、 原告が甲23の中で提示した勤務表が平成27年4月~7月であったため
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である。 乙10は、甲23と甲124をもとに、平成27年1~7月の原告の待 機時間中における対応実績を再度整理したものである。これによると、待 機勤務時の呼び出しによる対応実績は、 期間中の待機勤務19回中4回で、 実際に対応した時間は合計 10時間15分であり、同期間においても待機 勤務として呼び出しに応じて対応するのは稀であると評価できる。なお、 平成27年2月11日の対応時間が6時間35分と長くなっており、心臓 カテーテル検査等の緊急対応のためと推測されるが、その他の日の合計3 回については40分から2時間の範囲内であり、 令和7年8月19日付被 告準備書面で 主張したのと同様、「実際の拘束性は強かった」とは言えな いものである。 (2)同項(8)の 「宿日直勤務の労働時間性について」の 主張部分 原告は、被告の主張に矛盾がある旨主張しているが、 被告は、許可を受 けた当直時における救急患者への検査などは労働時間であり、それ以外に ついては労働から解放されている時間と主張しているのであり、矛盾はな い。また、日直と当直を連続して行うことは禁止されていない。また、第 三豊郷ビル407号室については、原告が指摘するように、待機勤務者が 使用していることもあるかもしれないが、恒常的に当直者が使用できない という状態ではない。 集団指導の点についても上記準備書面にて主張した通り、甲70は、休 日夜間に救急患者を受け入れている病院に対して適正化を目指すために集 団指導を行うという内容であって、集団指導を行う対象が違法状態と断定 しているわけではないし、「他院も違法状態であるから問題ない」と主張 しているものでも全くない。 (3)同項(9)「始業時刻」の主張部分 原告が主張する「甲23号証33頁の朝準備のマニュアル」は被告病院
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放射線部のマニュアルとして確認できない。同マニュアル内には文章内に 原告の名前が記載されているが、オフィシャルなマニュアルの文章内に個 人名を記載することはあり得ない。 4 同4項「2週間以上の連続勤務について」に対する反論 (1)同項(2)「平成27年1月5日~平成27年1月19日について」の 主張部分 原告は、被告の労働密度の計算が誤りであると主張する。確かに、乙3・ 6頁の〔事例17〕には記載されていないが、同15頁の事例17の記載 の中には、「休前日17時15分~翌8時30分」(15時間15分)と の記載がある。原告はこの休前日を8回行われていると主張するが、「休 前日」は通常金曜日のことと考えられ、そうすると月4日と考えられる。 これをもとに勤務時間及び業務対応時間を計算すると、労働密度は31. 55%となる(乙11)。 原告は、甲24・19頁に原告の当直の労働密度を記載しているが、こ れを前提としても、その中の35事例中24例(68.6%)は上記31. 55%を下回っている。被告病院は救急指定病院であるため、時に患者数 の増加により労働密度が高まることはありうるものの、総じて労働密度は 低いものである。 (2)同項(4)「待機勤務を含んだその他の連続勤務」の主張部分 本準備書面第3項(1)で主張した通りである。 5 同8項(1)「嘔吐物処理や結核その他感染症対応について」の主張部分 に対する反論 仮に原告の主張通り、原告個人の撮影量が平均的診療放射線技師の2倍以 上だったとしても、原告の結核対応の量が 2倍であったことにはならない。 また、結核はCT撮影後に発覚すること自体稀であり、発覚したとしてもC T撮影時は基本的な感染対策をしており、患者との接触時間も短いため、結
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核感染するリスクは高いとはいえない。 6 同9項(1)「不正会計について・不正会計が事実であるかどうかについ て」の主張部分 に対する反論 原告が主張する病院関係者Lの証言の趣旨は、病院関係者Aから改ざん指 示が出ていたかどうかは、病院関係者Aが故人のため確認することができな いというものである。また、立場上部署の内情に詳しくない同人の証言によ って「原告と病院関係者Hの名前が併記されているものについて、病院関係 者Hが64列CTに関わっていなかった」ことの根拠とはならない。 7 同11項「本件の事情」に対する反論 (1)病院関係者Gが同Aの自殺の理由を「部署運営を苦にして」と言った事 実はない。同人の自殺の理由は不明であり、「放射線部のTOPとして今 後のCT導入による体制作りなど悩み」との記載と自殺との関連性も不明 である。 (2)原告主張の事実は確認できない。 実施記録に残らない手伝いもあるため、 各検査の実施記録の記入者や撮影者のどちらかに病院関係者Aの記載がな いからといって、手伝った事実の有無は断定できない。 (3)退職者が病院関係者Aからパワーハラスメントを受けていたという事実 は確認できない。 また、 病院関係者Qには専従業務に関する不満があったかもしれないが、 そうだからといって、原告の主張する発言があったことにはならない。繰 り返しになるが、かかる発言は確認できない。 病院関係者Aの自殺の理由が不明であることは上述の通りである。 (4)ミスの中には、インシデントレポートや指導記録が必要となるものとそ うでないものとがあり、ミスが多ければインシデントレポート等が大量に 出てくるはずというのは必ずしも当てはまらない。 平成25年9月に行われた聴き取り調査の中で、原告自身が 入職した頃
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ミスが続いたため病院関係者Eとの関係があまり良くない旨を病院関係者 Kに話している (乙12)。 なお、乙12では、聴き取り対象者を「服部 智仁さん」と記載されているが、当時放射線部に服部姓の者は原告のみで あり、聴き取りの内容からして かかる記載は誤植であり、 聴き取り対象者 が原告であることは明らかである。 8 同13項「悪化時期と治癒機関の存否について」に対する反論 原告は、不支給決定通知書(註:甲119)には「請求日(※3)(註: 令和3年2月8日)現在の障害の状態も、障害年金1級、2級及び3級の対 象となる障害に該当しません。」と記載されていることから、悪化時期は令 和3年2月9日~令和3年6月上旬ということが立証できていると主張する が、同記載はあくまで令和3年2月8日現在の状態を述べているのであって、 これをもって悪化時期を上記期間とするのは論理の飛躍がある上、令和3年 5月25日~同年6月上旬に病状が悪化したとする被告の主張が否定される ものではない。 9 同14項「悪化に関する上司とのトラブルがあったについて」に対する反論 (1)同項(1)について 職員であっても、業務に関係なく、夜間に施錠されている部屋に上司の 許可なく侵入し、上司のパソコンの個人フォルダを勝手に探る行為は、 違 法であり、決して許される行為ではない。 (2)同項(2)について 当時病院関係者Gは状況の確認をしている最中であり、確認後にスタッ フに指示を出す状況であった。原告の行動は病院の指示系統を無視したも ので組織を混乱させる可能性がある行為のため、上司として指導を行った ものである。この点、原告も自分が混乱して指示系統を無視した行動をし たことを認めている(甲110の1)。 また、カルテへ診療外に関する事項を記載することは、その行為自体が
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医療従事者としての規範や倫理に反する行為である。 (3)同項(4)について 被告病院は、病院関係者Jが指導記録を削除したか否かは確認しておら ず、当然ながら病院関係者Jに指導記録を削除するよう指示した事実はな い。したがって、被告病院が原告の行動を妨害した事実はない。 なお、被告病院は、 原告が病気を上長に伝えてから、原告に対して産業 医面談を実施し勤務配慮も行なってきた。また、原告の求めに応じ院長と の面談も実施した。また、CT専従要件不充足の件については、原告の申 告に基づいて院内調査を行い、既に主張した通り東海北陸厚生局に相談・ 協議し、自主返還を行っている。被告としては、一貫して原告に誠実に対 応しているのであり、妨害行為を行った事実は全くない。 (4)同項(5)について 繰り返しになるが、病院関係者Aは故人であるため、どのような認識で 業務を遂行していたかは把握するすべはない。原告の主張する内容につい ても推測に過ぎない。 また、男性技師は全員カテーテル検査を担当できるため、この当時「カ テーテル担当者」という人物は存在していなかった。その為、病院関係者 Hを急にカテーテル担当者にする必要もない。平成25年3月に退職した 人物はMRIが担当であり、 カテーテル室の検査もできたが、カテーテル 室の担当者ではない。更に言えば、平成25年3月に退職した人物は心臓 病の悪化で退職したのではなく、本人の転職によるものである。したがっ て、これらの点の原告の主張は全て事実に反するものである。 10 同15項「悪化に関する感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事し たことについて」に対する反論 (1)同項(1)について この時点でカテーテル室には個別の責任者は存在せず、責任者としては
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病院関係者Gであった。原告が責任者というのは原告の思い込みと言わざ るを得ない。 (2)同項(2)について 既に主張したとおり、 新型コロナウイルス感染症に対しては、厚生労働 省は令和2年2月13日付で「医療機関における新型コロナウイルス感染 症への対応について」との事務連絡文書(乙5)を発出していたほか、同 年3月17日には 「新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 診療の手引き・ 第1版」(乙 6)を発出している。この中では、院内感染防止策に関して 「COVID-19におけるウイルスの伝播経路は、 主に唾液や鼻水などの体液お よびそれらで汚染された環境への接触や、くしゃみや喀痰など呼吸器飛沫 が結膜や呼吸器粘膜に入ることにより感染すると考えられている。したが って、患者の診療ケアにおいては、標準予防策に加えて、接触予防策と飛 沫予防策が必要である。」等とされており、日本国内で新型コロナウイル スの感染が確認された令和2年1月の直後の早い段階で、感染予防対策に 明確に国から指示があり、これらの情報は共有されていた。行政による感 染予防や防護対策等は確立されていたと言える。 また、被告病院としても、マスクの着用、必要に応じた個人用防護具を 着用しての勤務、十分な換気、食事を取る際に集団(密)を避けるなどの 取り組み(防護対策)を実施してきた。「日々の状況に応じて業務指示等 を見直す」とは、対応する患者や病院の状況を踏まえた院内での行動(ゾ ーニング等)のことであって、基本的な取り組み(防護対策)については 変化していない。 したがって、 心理的負荷は「強」ではない。 11 同17項「36協定について」に対する反論 被告病院では、労働者代表は、職員で構成される団体(名称は親睦会)の 代表者が担っている。代表者の選出は団体の構成員(各部署から選出)の中
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から立候補もしくは推薦によって候補者が決定し、団体の総会にて職員から
の承認をもって任命される手続を経ている (総会欠席者からは委任状を受け
ている。)(乙13)。したがって、原告の主張するように、労働者代表に
ついて名称が親睦会であることをもって否定されるものではない。
また、36協定などを締結する際には、任命された代表者に対して、内容
の説明を丁寧に行い、了解を得た上で実施している。
なお、原告は「形だけ職員課職員を代表と記載し」と主張するが、職員課
職員(人事担当者)は労働者代表にならないようにしており、原告の主張は
誤りである。
以 上