CIVIL CASE / 4th HEARING
原告 準備書面(3)
PLAINTIFF'S PREPARATORY BRIEF NO. 3 / OCTOBER 14, 2025
準備書面(3)
令和7年10月14日 原告提出
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令和7年(ワ)第493号 地位確認等請求事件
原 告 原告X 外1名
被 告 社会医療法人 名古屋記念財団
準備書面(3)
(被告準備書面への反論と原告主張)
令和7年10月14日
名古屋地方裁判所民事第1部合ホ E 係 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 岩 井 羊 一
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第1 はじめに 原告は、本準備書面において、令和7年8月19日付被告の準備書面に対し、必要と認め る範囲で反論し、また訴状等の主張を補充する。 なお、略語については、本準備書面にお いて新たに定義するもののほかは、従前の例による。 第2 被告準備書面に対する認否と主張 1 パワーハラスメントについて (1) 病院関係者 A の指導時間について 1(3)については争う。被告の回答は単純認否となっており、どう争うのか理由が明らかに されていないが、病院関係者 A は、30分ないし40分の指導を日常的に行っており、これら はパワーハラスメントに該当する。 (2) 病院関係者 A の発言「馬鹿かお前は」「たわけか」「アホ」について 1(4)については争う。被告の主張は、甲4の19頁22頁の病院関係者 C、H の証言内容 を無視したものである。指導記録に「馬鹿かお前は」「たわけか」「アホ」などの言辞が使われ ていないことが直ちにそのような発言がなかったということにはならない。 (3) 病院関係者 A の発言「あぁん?」という巻き舌での威嚇について 1(5)については争う。被告の主張は甲4の17頁の病院関係者 N の証言内容を無視した ものである。指導記録に「あぁん?」などの言辞が使われていないことが直ちにそのような発 言がなかったということにはならない。 (4) ミスした翌日に朝会議で報告と謝罪を求められていたことについて 1(8)については争う。 朝会議時に報告を求められていたことについては被告も認める
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とおりである。朝会議時に「部署の信頼を傷つけ申し訳ありませんでした」と謝罪を求められ ていたことについては、原告準備書面(2)21頁の主張の通りである。 (5) 鉛ガラスの改修を拒否された事について 1(10)について争う。令和2年8月5日測定の甲7について、被告は原告が測定器の設定 や測定方法を誤っていたかのように主張するが、甲7には別に漏洩線量測定の機器の設定 の動画も提出されており、測定器(電離箱式サーベイメーター )のレンジは最大値が 10μ Sv/h に合わせてあり、USE モードになっていることが確認できる。つまり線量率測定として行 っている。 一般的な電離箱式サーベイメーターの校正定数は、おおよそ 1.0 ± 0.2 cps/μSv/h 前 後(Cs-137 の場合)が目安である。ただしこれは装置ごとに固有であり、必ず年 1 回の校正 証明書に基づく使用が求められ ており、原告は校正証明書を有していないし保管場所も知 らなかったので1であると仮定しているが、校正証明書は被告側から提出すべきものである。 漏えい X 線量の測定方法は,甲128の JIS 規格によると「次の 7.2.1,7.2.2 又は 7.3 で規 定されたいずれかの方法を選択して実施する。」とあり線量率モードで測ることを否定してい ない。JIS 規格では線量率測定をする場合「測定箇所にサーベイメーターを配置後,X 線を 照射し,サーベイメーターの時定数の 3 倍以上の時間経過後から時定数の間隔で複数回 (3 回程度)サーベイメーターの表示値を読み取る。」としており、照射は動画の20秒から始 まっており、電離箱式サーベイメーターの時定数は 10μSv/h のレンジの場合、約10秒であ るから動画の50秒、60秒、70秒の値を読み取ると、それぞれは 8.0μSv/h、8.0μSv/h、7.5 μSv/h であることが分かる。「読み取ったそれぞれの表示値にサーベイメーターの校正定数 を乗じ,その平均値を測定箇所の測定値とする。 」ことから校正定数が1の場合には正確に は 7.8μSv/h であり、漏洩線量は 3.9mSv/3 か月である。また被告に最大限有利に計算した としても校正定数は 0.8 程度と考えられ補正した値は 6.3μSv/h であるから、その場合の漏 洩線量は 3.2mSv/3 か月である。
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甲7では撮影プランを連続曝射にすることによって、測定器の時定数(応答遅延)である1 0秒の3倍以上の時間を経過してからの値を 3回読み取って平均しており、これは線量率測 定自体としては正しい方法である。 動画からも明らかなように撮影条件も120kV、250mA、FOVも最大となっており、これは 通常使用する撮影条件で測定を行うという条件にも準拠している。 被告により疑義が指摘さ れたためより詳細に計算したが、7.8μSv/h という甲7の測定器の値は信頼できる値である。 また厚生労働省は線量率測定( Sv/h)の値は500倍したものを3か月あたりの漏洩線量とし て差し支えないと公示していることから、この部屋の漏洩線量は 3.9mSv/3か月となり、施 設基準を満たしていない。なお施設基準を満たしていない状態での撮影において保険点数 を請求することは不正請求にあたるため、鉛ガラスの改修を拒否され 、撮影業務を継続させ たことは、パワーハラスメントにももちろん該当するが、「業務に関連し違法な行為を強要され た」にも該当する行為である。 (6) パワーハラスメントが継続していた事について 1(12)については争う。 「ハラスメント防止対策委員会」による一斉聞き取り調査が行われ るということは病院関係者 A がパワーハラスメントを行う様な人物であったことの証左である。 確かに原告が通報したという客観的な証拠はないが、この調査のとき原告は、病院関係者 K より「他に気になることはないか?」と聞かれ、病院関係者 A の「あぁん?」という巻き舌によ る威圧的な指導について病院関係者 K に報告している。 その後、原告と病院関係者 E とは夜間二人きりにならないような配慮がなされたが、病院 関係者 A の態度は改善されなかった。 (7) 就業環境が害されていたことについて 1(13)については争う。病院関係者 らの発言すべてを記載することは蛇足になるため、準 備書面で省略している。発言内容の前後関係は各書証に示す通りである。
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(8) 病院関係者らの証言の整合性について 1(15)については争う。被告は原告が新人の頃より業務上のミスが多々あった と主張する が、事実に反するし、それを示す客観的証拠もない。 (9) 小括 1(19)については争う。理由は原告の準備書面(2)34頁以下で主張した通りである。 2 達成困難なノルマが課せられたについて (1) 64列 CT の撮影ノルマについて 2(2)については争う。なお原告準備書面(2)の繰り返しになる部分は省略する。 被告は日々報告されていたのが「達成状況」ではなく「業務実績」であると主張するが、甲 84には件数とともに括弧書き等で+2などと書かれており、これは正に目標値との差であり 「達成状況」である。 被告は件数未達成に対するペナルティがなかったと主張している。原告は多くの場合目 標件数を達成していたので、ペナルティがあったかどうかは定かではないが、甲8の8頁に 平成27年6月提出の改善提案書があるとおり、不達成時には改善を要求されている。 (2) 64列 CT の撮影ノルマと他県や全国の撮影件数との比較について 2(3)については争う。被告は定量的評価において、全国統計 や論文を利用することは 誤りであるかのような主張をする 。しかし、統計等を利用せずにどのように客観的に業務量 等を評価するのか不明であるから、具体的に説明されたい。 (3) CT の人員と業務量について 2(4)については争う。被告は定量的評価において、全国統計や論文を利用することは 誤りであるかのような主張をするが、統計等を利用せずにどのように客観的に業務量等を評 価するのか不明であるから、具体的に説明されたい。
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(4) 撮影ノルマの達成状況について 2(5)については争う。被告は証拠がない旨主張するが、 原告は、甲8の8頁に業務改善 提案書を添付している。業務改善提案書は存在している。 (5) 原告の個人ノルマの推計と撮影数 2(6)については争う。なお原告準備書面(2)の繰り返しになる部分は省略する。 甲11~甲16における平日は8:30~17:15までを日中、17:15~翌8:30までを夜間、 土曜日は8:30~12:30までを日中、それ以外を夜間、休日は全日休日として件数を数え 比較すれば64列 CT の夜間休日の寄与率は23.25%であることは自明である。 (6) 原告の撮影数は全国の上位何%かについて 2(7)については争う。被告は近似曲線自体が誤りである旨主張するが、 ならば被告にお いて統計学的に有効な近似曲線を提示すべきである。 仮に被告が言うように原告の撮影件数が上位0.16 %~0.04%に属していなかったとし ても、少なくとも上位4.83%に含まれていることは確実に立証されていることであるので、十 分に業務量として多いことは明らかである。 (7) 日頃の業務協力体制と病院関係者 B 休職時の協力体制等について 2(11)については争う。理由は原告準備書面(2)の主張のとおりである。 (8) CT専従業務の負担感に関する病院関係者Hの証言と整合性 2(12)は争う。病院関係者 H が CT 専従業務に従事していたころ、病院関係者 J も CT 担当者であり、基本的には2名体制であったが、病院関係者 J は放射線治療の業務に行く ことも多く、病院関係者 H は1人でやっていたと証言していると考えられる。原告の場合は病 院関係者 B との2人体制であり、病院関係者 J は撮影記録や勤務配置表から明らかな通り、 CT 撮影に関してほとんど協力していない。病院関係者 B は当時まだ経験が浅い上に左手 が不自由な関係で業務に制限があった。病院関係者 H と原告の勤務状況に大差はない。 なお被告は、撮影量のみで勤務状況が病院関係者 H と同じであったとは言えないとする
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が、一方で CT 専従業務従事者は CT 以外の業務につくことはできない旨も答弁書にて主 張している。よって、原告も病院関係者 H も CT 専従業務従事者であった頃には、基本的に CT 業務にしか従事していない。撮影量以外に勤務状況の違いを評価する手段があるなら ば被告において明示するべきである。 (9) ノルマの意義 2(13)は争う。①上長がもう少し頑張れと目標を修正していた ことは甲8の8頁の業務改善 提案書の提出から明らかである。②目標達成に向けた取り組みが指示されていた ことは毎 日朝の会議で報告を求められていたことから明らかである。③甲84等の朝の部会において 反省点等も報告しているので、反省点などが報告されていたことに 該当している。④原告は CT 専従業務従事者として一番撮影量を行わなければならない立場にあった。 被告は①~④のすべてに該当しない主張するが、すべて該当しているのでノルマである ことは明らかである。 (10) 小括 2(14)については争う。原告準備書面(2)の通りである。 3 労働時間について (1) 平日の宿日直時間帯と業務について 3(1)については争う。平成27年においては超過勤務表には申請されていないが、宿直 明け日の朝には部署内の全パソコンの再起動や装置の起動、部署の清掃、予約台帳の複 製、当直報告の作成等の業務があり、それらは病院関係者 G が平成29年7月に技師長に 就任して以降、始業点検として申請が認められるようになった(甲25)。 上記業務自体は平成27年にも存在し、既に労働者災害補償保険審査官によって宿日 直中の実労働としても認められている(甲65・38頁)。
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(2) 祝日休日の宿日直時間帯と業務について 3(2)については争う。 原告の主張する内容は原告準備書面(2)の通りである 。なお被告 は、緊急対応に備えて院内にいることは労働からは解放されていると主張している。しかし、 労基法上の労働時間についての最高裁平成12.3.9判決、労判778号11頁 に反した見解 である。 (3) 更衣の労働時間について 3(3)については争う。原告の主張内容は原告準備書面(2)の通りである。なお被告は 「被告はタイムカード打刻前に制服に着替えることは要求していない」と主張する。しか し、労基法上の労働時間は「労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のも の)三二条の労働時間(以下「労働基準法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用 者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労 働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かによ り客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんに より決定されるべきものではないと解するのが相当である。」(最高裁平成12.3.9判決、 労判778号11頁)のであるから、被告が要求したかどうかは、労働時間を判断する上で 関係がない。 (4) 休憩時間の分割の存否について 3(5)については争う。病院関係者 J の発言は本件疾病が明らかになった平成28年9月以 降のことを述べたものであり、発病前6か月の評価期間当時のことを述べたものではない。 (5) 休憩時間の削減と場所について 3(6)については争う。原告の主張内容は原告準備書面(2)の通りであるので省略するが、 被告が依拠している病院関係者 J の発言については、本件疾病が明らかになった平成28 年9月以降のことを述べたものであり、評価期間当時のことを述べたものではない。
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(6) 削減された休憩時間の算出方法 3(7)については争う。被告は実施記録の画面のコピーの記入者がいつでも修正できるこ とから、改竄している可能性がある旨指摘しているものと考えられる。確かにいつでも修正で きるシステムであること自体は認める。しかし実施記録には最終更新日時を表示する機能も あるので改竄等を主張するならば、最終更新日時を表記した状態で被告がすべての実施 記録を提出すべきである。なお原告が提出した画像には撮影日を示すサーバーのタイムス タンプが右下部に表示されている。被告が仮に最終更新日時を隠した状態で証拠を提出し た場合、証拠としての意味がない。 (7) 待機勤務について 3(8)については争う。被告は意図的に4月~7月のみを取り出すことで呼び出し頻度が低 い旨主張しているがこれは誤りである。評価期間は1月~7月である。なお 1 月~3月の勤務 表については甲124にある。その他の主張内容は原告準備書面(2)の通りである。 (8) 宿日直勤務の労働時間性について 3(9)については争う。被告は原告準備書面(2)の3(9)(59頁)第4文を認めている。監視 労働は「当該労働時間は、全て使用者の指揮命令下にある労働時間であることを前提とし た上で」と指摘がある。 被告もこれについては、 原告準備書面(2)の3(9)(59頁)第4文を 認めており、争わない。一方で、被告は3(2)で検査以外の時間は労働から解放されている とも主張しており、矛盾している。 被告は、甲20・4枚目の宿日直許可書の当該部分 は、宿日直を記載した時刻より前から 開始しない、記載した時刻より延長して行わないことを意味するものである と主張する。しか し、原告は日曜祝日において、日直から続けて当直を行っており、これは宿直、日直勤務許 可書で制限された労働を行っていることになる。これも矛盾である。 就寝設備については原告準備書面(2)で説明した通り、待機勤務者が第三豊郷ビル407
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号室を使用していたため、当直者は使用できなかった。 被告は2次救急以上の病院のほぼ全てが集団指導の除外対象( a~c)に該当しない旨を 述べているが、これは違法状態が日本全国に蔓延し、労働基準監督署が放置している結果 であり、これが我が国の救急医療の実態でもあるが、他院も違法状態であるから問題ないと いう理由にはならない。 その他の主張については原告準備書面(2)の通りである。 (9) 始業時刻 3(11)については争う。甲23号証33頁の朝準備のマニュアルについて、「毎朝、部会(8: 10)が始まる前に以下の項目を行う」と書かれている。これは一般撮影の 朝準備のマニュア ルであるが、8時10分までに始業点検を済ますことを義務付けていた証拠である。評価期間 当時、原告が主に担当していた始業点検は甲23・34頁のものである。また始業点検記録は 甲48、49の通りである。 (10) 小括 原告準備書面(2)の通りである。 4 2週間以上の連続勤務について (1) 認定基準についての補足 4(1)について争う。原告第1準備書面の通り、本件は業務上の心理的負荷による労災性 が認められれば原告の請求が容認されるという法的構成となっているので、労災不支給取 消訴訟と判断基準は原則として同じになる。 (2) 平成27年1月5日~平成27年1月19日について 4(2)については争う。被告は宿日直許可申請の甲24の18頁の不許可事例の計算に不 備がある旨主張する。しかし、被告の計算が誤りである。この事例の二次救急病院では宿直 勤務として一か月に6時間30分が22回と15時間15分が 8 回行われており、日直勤務とし
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て一か月に8時間45分が8回行われている。宿直勤務として265時間の拘束時間であり、 日直勤務として70時間の拘束時間である。この労働密度を計算すると宿直勤務単体でみる と12.17%、日直勤務単体でみると65.71%。全体で見ると、335時間中78時間15分で、2 3.4%である。 一般的に病院は土日が休診日であるから、この計算に誤りはない。また23.4%という数値 は奈良地方裁判所平成31年4月25日判決(LEX/DB 文献番号25500253)の判決趣旨 である23.1%~23.7%の範囲であり、不許可事例としても説得力のあるものである。 なお、4週間に4日の休日を与えればよいからといって、連続勤務がなかったとか、労働が 過重ではなかったということにはならない。 (3) 平成27年3月8日~平成27年3月20日について 4(3)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 (4) 待機勤務を含んだその他の連続勤務 4(4)については争う。理由は原告準備書面(2)の通り である。なお、被告は、待機勤務に ついての評価を平成27年4月~7月に限定して評価しているが、 過重性を評価する期間は 平成27年1月~7月であり、被告は都合のいい部分しか指摘していない。 (5) 小括 4(5)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 5 仕事の内容や量の変化量について (1) 繁忙期と閑散期について 5(2)については争う。被告は原告が CT 業務の残業のみであることに対して、他の CT 担 当者は血管造影や透視(TV)検査の残業に対応しているから、原告に対する支援があった と主張する。しかし、原告が CT 業務のみの残業をしているならば、CT の業務を行うことが職 場からの原告の業務に対する支援というべきであり、CT 専従業務従事者でない者が血管造
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影や透視(TV)検査の残業に対応することは、放射線部の装置が CT 以外にもあるのだから 当然のことである。 CT に関連する残業の50%ないし60%を原告が担当し、他の担当者は15%程度しか担当し ていないことからも職場の支援が少なかったというべきである(甲9、甲91)。 (2) 小括 5(3)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 6 複数名で担当していた業務が1人になったについて (1) 原告の反論 6(2)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 (2) 小括 6(3)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 7 顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた、または 顧客 や取引先から対応困難な注文や要求等を受けたについて (1) 右心房血栓の撮影の失敗に対するクレームについて 7(2)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 (2) 平成27年5月19日の患者からのクレームについて 7(3)については争う。 被告は原告が受けたクレームかどうかは 判断できないと主張する。 しかし、日報によると平成27年5月19日の日報の担当者は原告になっている(甲28・2頁)。 「未受付のままCTの前で30分以上待たれた方がおり、患者さまからの指摘で発覚。担当者 とリーダーとで謝罪を行ったが、激怒されてしまう事例がありました。」とある。この 文中の「担 当者」とは原告のことである(甲28)。
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(3) 平成27年5月22日の依頼先からのクレームについて 7(4)については争う。被告はあらゆる業務中のミスが医療安全管理部の管理するインシ デントレポートシステムに登録されるかのような主張をし、事実が確認できない旨主張する。 実際に現場では技師長である病院関係者 A までで報告が止まっている事例は多くあり、 それらは部署内の指導記録等に記載される。 平成27年5月当時は、病院関係者 B が CD を作成した後、受付事務がCDラベルに書か れた名前と中身のデータの名前が一致するかを確認していたため、原告に過失はない。 仮に被告が言うように運用上の責任者が原告であったとしても、原告は、クレームの有無を 問題としているから関係がない。心理的負荷はやはり強かったものと判断されるべきである。 (4) 院内暴力事案コードホワイトへの対応 7(5)については争う。被告は答弁書において、暴言はあったが暴力はなかったと主張し ていたところ、乙4の1~3では暴力事案であることが明らかにされている。 原告は1階ロビーの待合に駆け付けているが、患者が1階に下りた旨等の記載がないのは 乙4の1~3が病棟内の看護記録だからである。 乙1の「コードホワイトにて多数応援者が来てくれたため男性のみ残ってもらい患者の対応 を任せる」の部分は1階ロビーでのことである。乙1によると0:10頃に「患者と話をするも興奮 収まらず、男性職員は離れることができず」とある。この男性職員の中に原告は含まれている。 また「ここへ来い!殴ってやる」という不穏患者の発言からも一歩間違えば暴力を受ける可 能性があることは明白である。さすまたについては医療従事者が利用することを想定してい なかった旨は被告も認めるところであるから、原告が感じた恐怖感等は事実であると言える。 (5) 小括 7(6)については争う。理由は上述や原告準備書面(2)の通りである。
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8 感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事したについて (1) 嘔吐物処理や結核その他感染症対応について 8(2)については争う。被告は、原告が結核対応の量について平均的診療放射線技師の 少なくとも2倍はあったと主張していることについて、根拠がないと主張しているが、これは原 告準備書面(2)の2(6)表1で主張した原告個人の 撮影量が平均的診療放射線技師の2倍 以上であることが根拠である。 (2) 鉛ガラス窓強度不足による X 線被ばくについて 8(3)については強く争う。漏洩事実は甲7の通りであり、漏洩線量は8μ Sv/hであった。 放射線管理区域はその境界において、1.3mSv/3か月以下であることと厚生労働省によっ て定められているところ、実際に病院では 3.9mSv/3か月の環境にあったと認めることがで きる(被告から反論があったので JIS 規格に準拠して再計算した。)。厚生労働省はμSv/h で測定した値を500倍することによって3か月あたりの漏洩線量にしてよい旨を公示している。 被告は令和7年3月19日に測定した際に漏れていなかった旨主張するが、病院関係者 A や病院関係者 G の指示で、ずっと改竄しているのだから、漏洩している報告書が存在する わけがない。また同年7月17日に第三者の専門業者に依頼して改めて測定した旨主張する が、被告から証拠は提出されていないし、仮に専門業者の測定結果が BG(漏洩線量なし) であったとしても同年7月17日より前に設備改修を行い、裁判上、設備改修を行っていない と主張している可能性は否定できない。 漏洩事実は甲7の通りであり、その他の主張は原告準備書面(2)の通りである。 (4) 小括 8(4)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。
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9 業務に関連し違法な行為を強要されたについて (1) 不正会計について・不正会計が事実であるかどうかについて 9(2)(3)については争う。CT の専従要件は、専従者以外の放射線技師が64列以上の CT を撮影すること自体は問題なく、専従者が他の業務を兼ねることができないということに ついては認める。 しかし、平成25年当時 CT 専従者として行政に登録されていた病院関係者 H が関わって いない CT 撮影に関して、病院関係者 H が撮影したように見せかけたのは、専従業務を病 院関係者Hが撮影した場合には診療報酬 を多く受け取ることができるからである。 そのため に、原告に改竄の指示があった。改竄の指示がなければ、業務に関わっていない病院関係 者 H の名前を原告が記載する必要性はない。 平成25年当時の記録では64列 CT の撮影者と記入者が病院関係者 H と原告となってお り、16列 CT の撮影者と記入者が病院関係者 B となっている。 また当時の部署人数等で平常時に CT2台に対して3人配置することはありえないことであ る。この3人配置を可能であれば行っていくことは 平成28年1月7日の役職会議で決定され たことであり、それまでは2名体制が原則であった。また平成28年3月11日の役職会議では CT の体制強化として午前中の64列 CT を2名体制することが正式決定されている。(甲5の 13頁) 病院関係者 L は「事実確認のところの一番大きなところは原告の言われる、ようするに病 院関係者 H が、あの実際に撮ってない CT に対して、あの~まぁ病院関係者 H の名前で書 いてるものがね、あの~要するに矛盾というところが例えばその日の勤務者とか、その時に 病院関係者 H が何をやってたかとかっていったときに、やっぱりそういう矛盾は絶対にある ので、あのまずあの原告が言われていることがね、まずあのまぁ正しいと正しいというかまず そういうことはあったよと。で、それに関してどういうところからの指示命令系統でどういう経緯
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でそういうふうになったというところに関しては、その大変申し訳ないんだけれども、おそらく ね、おそらく当時の技師長が指示を出していたとは思うんだけど、もうそのへんのところが、 やっぱりその本人が居ないので」と証言している (甲5の21頁)とおり、原告と病院関係者 H の名前が併記されているものについては、病院関係者 H は64列 CT に関わっていなかっ た。 (2) 原告の受けた心理的負荷と精神障害発病との関係 9(4)については争う。理由は原告準備書面(2)で主張した通りである。 (3) 施設基準を満たさない状態で業務を続けさせられたこと 被告は、設備改修を行っていない と主張する。しかし、本件放射線の漏洩は 認められる のであるから、設備改修を行っていなければ 重大な届出違反である。保険点数については 2年に一度改正されるものであるが、現在の保険点数は以下のように取り決められている。 1 CT撮影 イ 64 列以上のマルチスライス型の機器による場合 (1) 共同利用施設にお いて行われる場合 1,020 点 (2) その他の場合 1,000 点 ロ 16 列以上 64 列未満のマル チスライス型の機器による場合 900 点 ハ 4列以上 16 列未満のマルチスライス型の機器に よる場合 750 点 ニ イ、ロ又はハ以外の場合 560 点 2 脳槽CT撮影(造影を含む。)2,300 点 (4) 「1」の「イ」について、 64 列以上のマルチスライス型の機器であって、別に厚生労 働大臣が定める施設基準に適合しない場合には、「ロ」として届け出たうえで、「ロ」を算定す ること。 本件のように施設基準(例:漏洩線量 1.3 mSv/3 か月以内)に適合しておらず、かつ「ロ」と しての届出も行っていない場合、(1)(2)の 1020 点、1000 点、900 点の算定は不正請求に 該当する。「64 列以上」装置であっても、施設基準に適合しない場合は 1,000 点を算定して はならないし、さらに、「ロ」の点数(900 点)を算定するためには、「ロ」としての届け出(届出 様式 25) を保険者に提出しておく必要がある。よって、届出がない限り、「ロ」の 900 点すら 算定できない。「イ」で届け出しているのに、実態は施設基準未達かつ、「ロ」への変更届出
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も未提出である本件の場合、1020 点や 1,000 点の請求は施設基準違反(不適正請求)であ り、900 点の請求も無届出のため無資格算定(誤請求・過誤返戻の対象)である。結果として、 請求自体が不適正とされ、全額返還の対象+過去遡及調査+行政処分の対象である。 その不正返還金は40億円以上であり、日本過去最大級の不正請求であることは言うまで もない。 平成27年3月16日~20日の間に測定された漏洩線量測定時、原告は電離箱式サーベ イメーターの針が振れることを初めて目撃した(甲7)。測定担当者であった病院関係者 M と 相談し、病院関係者 A に報告したが、病院関係者 A も漏洩の事実をその時に初めて知った 様子であった。原告は自身が最も被ばくする立場にあることや施設基準を満たしていないこ とから、病院関係者 A に鉛ガラス窓を直してほしい旨を相談したが、「修理期間の収益がな くなるだろう!」「そんなこと上に言えるか!」と発言した後に 、原告に対して「お前の被ばく 線量はどうなっている?」と聞き、原告がおよその月間被ばく線量を答えると「法的上限を超 えてないから問題ないな」と発言した。そして病院関係者 I、M、Q らに対して漏洩線量なしを 示す BG と記載するように書類の改竄を指示している(甲4の24頁)。 施設基準を満たしていない状態で撮影し、保険点数を請求することは不正請求であるの で、それを行わされた原告の心理的負荷は「強」である。 (4) 小括 9(6)については争う。罪悪感と精神障害発病との関連性は甲74の論文が示す通りである。 施設基準を満たしていない状態で撮影し、保険点数を請求することは不正請求であるの で、それを行わされた原告の心理的負荷は「強」である。 その他の主張は原告準備書面(2)で主張した通りである。
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10 業務に関連し重大な人身事故、重大事故を起こしたについて (1) 二つの事案があること 10(3)については争う。理由は原告準備書面(2)で主張した通りである。 (2)予期出来ない出来事によって心理的負荷を受けること 10(4)については争う。理由は原告準備書面(2)で主張した通りである。 (3) 小括 10(5)については争う。理由は原告準備書面(2)で主張した通りである。 11 本件の事情 (1) 病院関係者 A の自死 11(1)については争う。甲87の3頁には「放射線部の TOP として今後の CT 導入による 体制作りなど悩み」と記載されている。この記述自体は病院関係者 J が平成29年6月8日に 書き残したものであるが、原告は、自殺の理由を「部署運営を苦にして」と病院関係者 G か ら聞いていることと合致する。 (2) 原告の病気の報告と病院関係者 A の改心 11(2)については争う。平成28年6月に原告が病院関係者 A に病気を報告するまでは、 病院関係者 A は忙しくても業務を手伝っていなかった。手伝っていれば各検査の実施記録 の記入者や撮影者のどちらかに病院関係者 A の名前が記載されたものがあるはずである が、被告からそのような証拠は提出されていない。 (3) 病院関係者 A の苦悩 11(3)については争う。原告が主張するベテランとは平成27年当時において、経験年数 が病院関係者 J 以上の者、若手とは経験年数が病院関係者 H 以下のものである。被告は、 病院関係者Aが原因とした退職者がいないと主張するが、 一般論ではあるがパワーハラスメ
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ントを受けた人が「病院関係者 A のパワーハラスメントが嫌なので辞めます」と病院関係者 A に面と向かって言うことはないと考えられ自己都合を理由に退職することは十分にあることだ と考えられる。 被告は、甲87から病院関係者 Q の「こんな業務量マジ無理!」という趣旨の文句の発言 は確認できないとしている。しかし、甲87の図5「専従業務に不満発言には指導を→専従は 持ち回りで行う。決定事項誹謗する発言が減ったことを伝える」とある。減ったということは専 従業務に関する文句が元々あったということである。 甲87の3頁の図8には「放射線部の TOP として今後の CT 導入による体制作りなど悩み」 と記載されている。この記述自体は病院関係者 J が平成29年6月8日に書き残したものであ る。原告は、自殺の理由を「部署運営を苦にして」と病院関係者 G から聞いていることと合致 する。被告の主張は経営者としての責任を回避し、自ら死を選ばなければならなかった者に 責任を全て被せる主張であって、不合理である。 (4) 病院関係者 A の性格と原告への期待 11(4)については争う。原告が1年目にミスが多かった事実はないし、被告からそれを示 す客観的証拠は提出されていない。もしそうであるならば平成24年および25年初頭の原告 のインシデントレポートや指導記録が大量に出てくるはずである。すべてのモダリティーチー ム(CT・MRI・RI)にそれぞれの責任者となる上司は存在したから上司がいるからというのも理 由にはならない。CT が手薄だったことは認める。 12 悪化に関する認定基準について (1) 国・豊橋労働基準監督署長(マツヤデンキ)事件判決 12(1)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 (2) 自然経過超過増悪説に立った判決 12(2)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。
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(3) 本件悪化部分への本人基準説の適用可能性について 12(3)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 (4) 認定基準の改定について 12(4)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 13 悪化時期と治癒期間の存否について (1) 悪化時期について 13については争う。 まず、原告準備書面(2)の13において以下の通り誤記があったので、訂正する。 原告は悪化時期について原告準備書面(2)の13(1)では平成3年3月中と記述したが、 これは令和3年の誤りであるので訂正する。13(2)では令和2年3月中旬と記述したが、これ は令和3年の誤りであるので訂正する。 13(3)では令和3年3月中旬としており、これは正し い。 なお被告は、障害年金の申請時の診断書等を提出するように求めているが、診断書原本 は年金事務所に提出済みであるため保有していない。仮にコピーが存在したとしても原告 準備書面(2)で主張立証した内容で十分であるし、被告は原告の求める書類の提出を拒否 しているので、原告としても明らかにする必要性はない。 また被告は再申請が令和3年6月上旬であるとするなら、不支給となった同年5月25日か ら同年6月上旬に病状が悪化したことになると主張するが、不支給決定通知書には「請求日 (*3)現在の障害の状態も、障害年金1級、2級及び3級の対象となる障害に該当しませ ん。」と明記されている。つまりこのことから、障害年金の審査では申請日時点で評価されて いることが分かる。悪化時期は令和3年2月9日~令和3年6月上旬ということが立証できて いる。
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14 悪化に関する上司とのトラブルがあったについて (1) 労災請求に対する病院の妨害行動 14(1)については争う。原告は、被告が証拠を抹消する可能性があると考えてやむなく証 拠を収集したのである。 (2) 病院関係者 G との口論 14(2)については争う。病院関係者 G から令和2年12月15日以降の業務等について連 絡があれば、そもそも原告が対策資料を作成する必要性はなかった。 まず放射線治療ができる人間は残っていなかった。放射線治療は中断すると放射線治療 計画が狂うため、周辺病院への転院や患者への説明等の措置を取る必要性があった。 核医学検査ができる人材には病院関係者 O がいたものの、診療放射線技師6名では土 曜日勤務と同様の内容である CT、一般撮影、MRI、TV を行うのが精いっぱいであったため、 核医学検査の薬剤等についてもキャンセルする必要があった うえ、予約患者には連絡する 必要があった。 夜間の当直者についても診療放射線技師6人で行う必要があった が、元々の勤務予定表 とは変更があるため再検討する必要があったうえ、当直明けを翌日昼頃にしたとしても午後 からは5人体制となることが分かっていたため、どの装置に誰を配置するかは、残された人 材の扱える装置を考慮しながら検討する必要性があった。 上記のような指示を病院関係者 G は一切行わず、技師長としての責務を放棄していたとい える。また、出勤していた他の上位の職員は「指示がないことは病院関係者 G の責任」と言 い、誰も具体的な対策案を示さなかった。病院関係者 G と口論になるのは当然である。 甲120は口論の内容を録音することを忘れていたため、原告は自身のカルテ記録のメモ 欄に当時のことを記録したものであるが、内部告発や労災申請における面談等の経緯から 本件が紛争になり、証拠が必要と考えた原告がやむなく作成日時をふくめて証拠として残
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すために記載したものである。その当時、認識した事実をそのまま記載したものである。医療 従事者の規範や倫理に反することが直ちに証拠能力を失わせるものではない。 (3) 不正会計の隠蔽の可能性を感じていたこと 14(3)については争う。原告の主張は原告準備書面(2)のとおりである。 「法律で HP への記載が義務付けられていない」というのは、あくまで形式的な法令上の 義務の不存在を示すにすぎ ない。しかし、社会医療法人や特定医療法人においては、「社 会的信頼の確保」や「医療の質の向上」を目的に、透明性のある経営情報の開示が強く期 待されている。よって、返還内容が法的に HP 記載義務を負わないからといって、「公表する 必要がない」とするのは不誠実であり、説明責任の放棄である。また厚生局が「HP に載せる ように」と明示的に求めていないという点をもって、公表不要と主張するのは短絡的である。 実際に、厚労省の通達や報告書でも、自主的な情報開示・透明性確保が強く推奨されてい る。 (4) 小括 14(4)は争う。理由は原告準備書面(2)に記載する通りである。なお被告は一切の妨害 行為なるものを行っていない旨主張するが、特に指導記録の削除は病院関係者 J も削除し たと述べているし、その証拠内容からも妨害行為であることは明らかである。 (5)求釈明について 14(5)は争う。甲11から甲16の64列 CT の使用状況からわかるように夜間休日等におい て64列 CT を当直者らが使用している。仮に被告が言うように、病院関係者 A が「64列以上 の CT 撮影は、東海北陸厚生局へ届出した診療放射線技師以外は施行してはいけない」と 誤認していたとすれば、夜間休日は16列 CT で撮影しているはずであるが、実際には16列 CT は夜間休日に稼働していないことが甲10より分かる。また被告が主張するような誤認に よって、病院関係者Hと原告の名前が併記されるということは、原告のみによって撮影された CT に病院関係者 H が関与したように見せかける必要性があったということになり、改竄を故
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意にやっていたということになる。よって被告の故意に改竄をしていないという求釈明に対す る回答はありえないものである。 なお実際のところは、カテーテル室の担当者が心臓病の悪化により平成25年3月末で急 遽退職し、平成25年4月より日中のカテーテル室の担当者が病院関係者 C だけになってし まったため、急遽病院関係者 H をカテーテル室担当者に変更するべく、急いで当時現場2 年目になったばかりの原告を CT 担当者として、一人で64列 CT を行うことになったものであ る。 15 悪化に関する感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事したに ついて (1) 原告が新型コロナウィルス感染症(COVID19)の最前線で業務に従事していたこと 15(2)については争う。原告が、勤務できる職員が6名であったと主張するのに対し、被告 は11名だと主張する。しかし、被告の主張する11名にはパートの事務職員4名とパート診療 放射線技師1名を含んでおり、正職員の診療放射線技師は 原告が準備書面⑵104頁で主 張したとおり6名である。 被告は、カテーテル室の責任者は置いていないと主張する。たしかに、 カテーテル検査に ついては「専従者」というのは存在しないことは認めるが、一般常識的に考えても 「責任者」 を置いていないことはありえないことである。そして、原告が責任者であった。 その他の主張は、原告準備書面(2)の通りである。 (2) 確立した対策が講じられ感染リスクが軽減していたかどうかについて 15(3)については争う。被告 も「行政の対策が整っていれば感染リスクが低下するわけで はない」と明確に述べている (準備書面⑵21頁)。認定基準では「中」である例として「感染 症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事し、防護等対策も一定の負担を伴うもので あったが、確立した対策を実施すること等により職員のリスクは低減されていた」としている。
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一方で「強」である例として「新興感染症の感染の危険性が高い業務等に急遽従事すること となり、防護対策も試行錯誤しながら実施する中で、施設内における感染等の被害拡大も 生じ、死の恐怖等を感じつつ業務を継続した」とある。本件は「強」の例に当てはまる。「職員 のリスクは低減されていた」と言えるかどうか が問題であるが、被告も行政通達では感染リス クは低下しないと認めている。そうすると、「職員のリスクは低減されていた」と言えるかどうか は、個々の病院における対応によることになる。被告は「それ以降についても新型コロナウイ ルス感染症患者の入院受け入れを行う場合もゾーニング等を随時状況に応じて行ってきて おり、日々の状況に応じて業務指示等の見直しを行いつつ対応していた」と 述べている。 日々の状況に応じて業務指示等の見直しを行っているのであるから、「確立した対策を実施 すること等」とは言えない。「防護対策も試行錯誤する中で」 と言うべきであり、「職員のリスク が低減されていた」とはいえない。 (4) 小括 15(4)については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 16 損害を基礎づける額について 16については争う。理由は原告準備書面(2)の通りである。 17 36協定について 労働基準法第 36 条(通称「36 協定」)によって、法定労働時間を超える残業・休日労働を 行わせるためには、事業場ごとに「労働者の過半数代表」との書面による協定を結ぶことが 必要であり、その選出要件は以下の通りである。 過半数代表の選出要件(労働基準法施行規則第 6 条の 2) 過半数代表は、 ①「労働者の投票、信任投票等の方法によって選出され」、かつ
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②「使用者の意向に基づいて選任された者でない」こと まず、被告には労働組合がないため、過半数代表者を選出する必要がある 。しかし被告 では投票も公募もなく、形だけ職員課職員を代表と記載し、信任の手続を経ていな かった。 過半数代表の選出要件を満たしておらず、 被告における36 協定は無効である。原告は現 場にいた9年1か月の間に一度も過半数代表の信任に関する投票をしていないし、公募の 話も聞いたことがない。 唯一原告が記憶している投票らしき行為は、毎年2月頃に開催されていた職員一丸となっ て食事に行く福利厚生の際に、「レクリエーション委員の代表者を選出する」という名目で投 票用紙を配られた記憶があるものの、36協定に関する過半数代表者選出とは聞いていない。 甲129の36協定に記載されている人物は社員親睦会(レクリエーション委員)の代表者を自 動的に選任したものである。これは甲130の厚生労働省の発行する資料にも記載のある36 協定が無効になる例としてあげられている通りであるので、被告の36協定は無効である (甲 129、甲130)。また、令和2年、令和3年はコロナ禍により食事行為そのものが中止となって おり、投票行為そのものを行っていない。 被告は、36協定も、当直許可も違法な状態で 労働をさせていたのであり、そのような杜撰 な労務管理が、原告の過重な労働の原因となったのである。 第3 結語 以上の通り、原告は、総合すれば心理的負荷の強度は「強」と評価するべき状況にあって、 統合失調症を発病し、さらに悪化させたのであるから、この統合失調症の発病および悪化は 業務に起因するというべきである。 この場合に、自然退職扱い が違法であることは明らかで ある。また、安全配慮義務違反による損害の発生も明らかである。原告らの請求は認められ るべきである。 以上